BTSメキシコ公演「100万人が落選」で、大統領が動いた!「追加公演」の要請に秘める打算と、運営が供給を絞る「思惑のズレ」とは?

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さらに言えば、公演数をあえて絞るという戦略もある。「いつでも見られる」より、「一生に一度は見たい」。そのファン心理が、次のツアーや映像、グッズの価値を支えている側面もある

開けば必ず埋まるからこそ、あえて供給を広げすぎない。この判断は、成熟したグローバルアーティストほど慎重になる。

「推し活」が都市を動かし、国境を越え、経済を回す

こうして見ていくと、メキシコ大統領の「もっと開催してほしい」という発言は、ファン心理でも外交的なサービスでもない。まだ回収できていない大きな需要を前にした、極めて合理的な経済判断でもある。

一方で、アーティスト側は「その街がどれだけ潤うか」よりも、「ツアー全体として無理がないか」を見ている。この視点のズレこそが、今回のニュースの面白さなのかもしれない。

そして忘れてはいけないのは、この経済を動かしているのが、政府や企業ではなく、世界中のファン一人ひとりの行動だということだ。好きな音楽に心を動かされ、「どうしても生で聞いてみたい」と思う。

初めてパスポートを取る人もいれば、人生で初めて海外に出る人もいる。言葉も土地勘もわからない場所へ、それでも一歩を踏み出す。その原動力は、突き詰めればとてもシンプルな「好き」という気持ちだ。

ワクワクしながら飛行機に乗り、街を歩き、食べて、泊まる。特別なことではないが、その行動が何万人、何十万人と重なることで、都市を動かし、国境を越え、経済を回す力になる。

そう考えると、推し活は自分の人生を少し広げ、誰かの表現を支え、気づけば世界のどこかを元気にしている。そんな側面も、確かに持っているのだと思う。

池澤 摩耶 会社経営者・投資家

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いけざわ まや / Maya Ikezawa

会社経営者・投資家、二児の母。東京都在住。国際的な文学一家に育ち、小学校卒業後にカナダへ留学を決意。ブリティッシュコロンビア大学では数学・計量経済学を専攻した。卒業後はニューヨークのウォール街で為替トレーダーとして経験を積み、帰国後、東京の外資系投資銀行で金利トレーダーとして働くワーキングマザーに。現在はベンチャー事業の立ち上げやマーケティング会社の経営に携わりつつ、教育と金融をテーマに発信活動を行う。著書『元外資系投資銀行トレーダーママが伝授 子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育』はAmazonランキング17冠を達成。

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