BTSメキシコ公演「100万人が落選」で、大統領が動いた!「追加公演」の要請に秘める打算と、運営が供給を絞る「思惑のズレ」とは?
この「余韻の数日間」が、都市経済にとっては意外と大きい。実際、コンサート開催日に合わせて会場周辺のホテル価格が跳ね上がるのは、もはやお決まりの光景だ。それでも部屋は埋まる。需給の関係としては、これ以上ないほどわかりやすい。
Taylor Swift、一都市の市内経済への波及は約90億円
イベントとしてのパフォーマンスがとてつもなく良いというのもある。広告費はほぼゼロ、国が直接リスクを取る必要もない。訪れる人たちは、誰かに強制されるわけでもなく、喜んでお金を使う。
普通の国家プロジェクトで、この条件を同時に満たすのは簡単ではない。どんなお祭りやカーニバルを開いても、観光キャンペーンに巨額の予算を投じても、数日間でここまで人とお金を動かすとなるとかなり政府に負担がかかる。
ここで、1つわかりやすい比較対象を出したい。同じように世界中の人を動かし、都市経済に大きなインパクトを残したのがTaylor Swiftだ。
Taylor Swiftは、23年から24年にかけて「The Eras Tour(ジ・エラス・ツアー)」というワールド・ツアーを展開。ニューヨーク・タイムズによると、その興行収入はなんと20億7761万ドル(約3100億円)で史上最高だった。
もはや音楽ツアーというより“経済現象”として語られるべきだろう。中でも象徴的なのがメキシコシティ公演で、メキシコシティ全国商工会議所(CANACO)によるとチケット収入を除いた、市内経済への波及効果だけで約5900万ドルと試算されている。日本円にすれば、およそ90億円前後に相当する規模だ。
来場者数は25万人規模。単純に割り戻すと、1人当たり約230ドル、円にして3万5000円ほどになる。これはチケット代以外で、宿泊や交通、飲食、買い物として街に落ちたお金だ。ライブをきっかけに人が動くと、都市にはこれだけのお金が落ちる。
では、この数字をBTSに当てはめるとどうなるだろうか。来場者が15万人、1人当たりの消費額を230ドルと仮定すると、経済効果は約3500万ドル。日本円にすれば、およそ55億円規模になる。


















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