BTSメキシコ公演「100万人が落選」で、大統領が動いた!「追加公演」の要請に秘める打算と、運営が供給を絞る「思惑のズレ」とは?
BTSという存在が、これほど多くの人を動かし、都市や国の経済にまで大きな影響を与える規模になっているという事実である。
ライブの「余韻の数日間」が都市経済を回す
BTSの2026年ワールドツアー「ARIRANG」において、「メキシコ公演の観客数は約15万人。一方で、チケットを手に入れられなかった人は100万人以上にのぼる」とシェインバウム大統領は記者会見で発表した。
この数字を前にして、大統領が見ているのは、単なる推し活の熱量だけではないだろう。
そこには、まだ回収しきれていない大きな需要と、都市として取りこぼしている経済効果がある。だからといって、これは「大統領がBTS推しだった」というかわいいエピソードを否定する話ではない。むしろ、その好意や評価と並行して、こうした経済的な読み取りも成り立つ、ということだ。
そもそもBTSのコンサートは、もはや単なる音楽イベントの枠を超えている。短期間で都市経済を一気に動かす、集中型のインバウンド施策に近い存在だ。海外からファンが一斉に流入し、飛行機の座席が一気に押さえられ、ホテルは満室になる。
レストランやカフェ、配車サービスはフル稼働し、グッズやアパレルが売れ、空港や観光地にまで人が回る。さらに、コンサート前後には、メンバーゆかりの場所やコンテンツの舞台を訪ねる、いわゆる「聖地巡り」も加わる。滞在は自然と長くなり、消費は会場周辺にとどまらない。
筆者自身も25年夏、とあるグループのコンサートを鑑賞するためにスペインのマドリードを訪れた。コンサート翌日だけでなく、翌々日になっても街の至るところにファンの姿が見られた。コンサートは一晩で終わるが、ファンの滞在と消費はその後も続く。


















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