BTSメキシコ公演「100万人が落選」で、大統領が動いた!「追加公演」の要請に秘める打算と、運営が供給を絞る「思惑のズレ」とは?

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さらに控えめに見積もっても、遠征組が半分、滞在2泊、1日当たりの消費額が70〜120ドル(約1万〜1万8000円)と考えれば、最低でも20億〜30億円規模の経済効果は十分に見えてくる。

アーティスト側が「開催回数を絞る」経済的な事情

つまりBTSのコンサートは、「音楽イベント」というより、短期間で都市経済を一気に回す装置だ。いわば短期間だけ都市に需要を集中させる“経済スイッチ”のような存在だ。広告費はほぼゼロで、国のリスクも限定的。政策として見ても、かなり優秀だと思う。

それでも、「じゃあ、なぜもっと開催されないのか」という疑問は残る。理由はシンプルで、都市が潤うことと、アーティスト側がしっかり利益を残せるかどうかは別の問題だからだ。どれほど話題性が高く、街を盛り上げるイベントであっても、主催者が赤字では続かない。

BTSクラスのツアーは、巨大なセットや機材、数百人規模のスタッフと共に移動する。中南米では、チャーター機や通関の問題で物流コストが一気に跳ね上がることも多い。売れているのに、利益が残らない。そんなケースは決して珍しくない。

為替や物価の問題もある。現地の購買力に合わせてチケット価格を設定すると、グローバル基準で作られたステージ制作費を回収できないことがある。さらに、10万人規模を安全に運営できるインフラや警備体制、信頼できる現地プロモーターの存在も欠かせない。

事故が起きれば、失うのは一晩の利益ではなく、アーティストとしてのブランドそのものになってしまう。

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