「ちゃんと進路の話ができない子ども」が不思議に楽しくなる! 岩見沢市が主導する進路選択の取り組み―カギは1枚の表にあった

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さらにこうも続ける。「親や学校の先生以外に進路を真剣に話す機会はなかったので、最初は不安でしたけど、安心して話せる雰囲気があるから、意外と本音を打ち明けられて、スッキリします。またお話ししたいです」

25年度は親子会議室の構想を具現化するための予備的な段階である。本格的な実践は26年度から。岩見沢市での小さな挑戦は始まったばかりだ。

子どもとの関係を見つめ直す機会に

後日、保護者向けの説明会を開催し、進路選択表を書いてもらった。

保護者からは「書いて振り返ると、そのつもりはないけど、子どもの意思より自分の期待をぶつけちゃっているかもしれない」「子どもと進路の話をしても、相手にされない、私は私ってよく言われちゃう」「そもそも子どもがどんな判断基準を持ってるか見当もつかない、志望校はなんとなく聞いてるけど学びたいことっていうよりはその後の就職先を想像しちゃう」といった声が聞かれた。

子どもたちは「進路選択表」に興味津々だ(写真:山本氏提供)

無意識に期待を向けてしまっていることや未来に先回りして、アドバイスをしている声を自覚することにつながったようだ。

岩見沢市の担当者は親子という関係に着目した理由を話してくれた。

「私たちは、親子が対立するのではなく、共に未来を描くための場として『親子会議室』を構想し、実現に動いています。産学官のネットワークを駆使し、普段の生活では出会えないプロフェッショナルや地域の人々と対話する機会を作ります。

親でも先生でもない『第3の大人』との出会いが刺激となり、子どもたちが納得感を持って自らの進路を親子で協力して決められるようにしたいと考えています。

私たちの願いは、地域の人々に背中を押され、納得して羽ばたいた子どもたちが、いつかまた『親子会議室』に帰ってくる。そして次は自分が応援する側として、後輩たちの力になる。そんなあたたかいまちを目指し、親子会議室を拠点に、一人ひとりの子どもたちの未来を地域一丸となって応援していきます」

親子会議室の取り組みは、学校でなければできない話ではない。家庭でも、共通の材料(表)に親子で向き合うことで、親子ゲンカが建設的な「対話」へと変わっていくのではないだろうか。

山口 大輔 河合塾学校教育サポート本部学校事業推進部部長

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やまぐち だいすけ / Daisuke Yamaguchi

日本大学文理学部卒業。1996年河合塾入塾。営業として東京都内の高校を担当。2002年より名古屋大学との共同研究に参画しテスト理論を学び、新商品開発に携わる。その後、模試事業企画を経て2009年より新規事業企画に従事。『ミライの選択』のほか、非認知能力や職業適性を測るアセスメントテスト『学びみらいPASS』などの開発に携わる。

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山本 尚毅 日本総合研究所創発戦略センター所属

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やまもと なおき / Naoki Yamamoto

北海道大学農学部卒業。20代は社会起業家として、デザインを通じた貧困問題の解決に挑戦。2015年河合塾入塾、未来研究プログラムを担当し、『ミライの選択』の開発をリードした。2023年より現職。著書に『もし未来という教科があったなら』(共編、学事出版)。

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