「ちゃんと進路の話ができない子ども」が不思議に楽しくなる! 岩見沢市が主導する進路選択の取り組み―カギは1枚の表にあった

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岩見沢東高校の渡辺淳一校長は、生徒たちに自律的に進路を決めてもらいたいと話す。

「変化が激しい社会の中にあって、生徒が自律するということは、誰にも頼らずに1人で生き方を決めることではありません。適切な“道具(表)”を活用して、信頼できる他者(第3の大人、保護者)のリソースを借りながら『対話』を重ね、納得解を作り上げていくことこそが、真のキャリア自律ではないでしょうか」

岩見沢市はこの先、学校外にサードプレイスとして「親子会議室」を設置する構想を進めている。親子会議室は、学校内でも活躍した第3の大人が保護者と子どもの間でファシリテーターとなり、成績表の代わりに進路選択表を潤滑油に、卒業後の未来の話をするのだ。

筆者(山本)も、トライアルとして25年11月のイベントに参加し、高校2年生のあるクラスで生徒が進路選択表を作成するプログラムを行った。

岩見沢東高校での「進路選択の教室」プログラム実施風景(写真:山本氏提供)

「表」がクッションとなり、本音があふれ出す

その後、北海道大学や岩見沢市のスタッフが希望する生徒と対話を行う時間が設けられた。

生徒が「私は『給料』よりも『地元で働けること』を重視している。だから、この大学のこの学部を選んだ」と表を示しながら説明すると、「そんなに深く考えていたのか」「親の金銭的な事情も考慮に入れてくれていたんだね」とスタッフが驚きの声を上げる、といったケースがたくさんあった。

参加したスタッフは「初対面でしたが、表をクッションにすることで生徒も焦らず自分のペースで話してくれました。親や先生には言いにくいような、実はやってみたいことも、利害のない関係性だからこそ、背伸びせずに打ち明けてくれたのだと感じています」と生徒との深い会話に手応えを感じていた。

では、実際に体験してみた生徒の反応はどうだったのだろうか。

ある生徒はこう話す。「これまでの進路教材って、もう考えないと時間がないよと、焦らせてくるイメージがあって、進路を考えることから逃げてきていたと思います。でも、進路選択表に自分の考えを書き出すことで、判断基準がないのにどうやって志望校を決めるんだろうと、自分を俯瞰して見れて、不思議と進路を考えるのが楽しくなってきました」

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