「ちゃんと進路の話ができない子ども」が不思議に楽しくなる! 岩見沢市が主導する進路選択の取り組み―カギは1枚の表にあった
「市の調査により、興味深いデータが明らかになりました。約9割の生徒が進路の相談相手として『親』を挙げる一方、約3割の親が『わが子がどの学校(大学・専門学校など)を目指しているか』分からないと回答していました。
子どもは親を頼りにしている一方で、親は子の本音をつかみきれていない。学部学科の再編や働き方の多様化が進む『正解のない時代』において、親子が建設的な対話を行うことの難しさに改めて気づきました」
岩見沢市が、市内の高校で「ミライの選択」をアレンジして構成した授業「進路選択の教室」に取り組み始めたのは2024年からである。岩見沢東高校では25年秋に実施。普通、進路指導といえば偏差値や合格可能性といった客観的な指標が重視されがちだ。
しかしこの授業では、まず生徒自身が「自分が何を大切にしたいか(判断基準)」を言語化することから始まる。行きたい大学なら、「実家から通えるか」とか、なりたい職業なら「働くエリア」「やりがい」などを点数化して、1枚の「進路選択表」に書き込んでいく。
そうやって頭の中のモヤモヤを可視化することで、生徒は「悩み(選択肢がなく立ち止まっている状態)」から「迷い(選択肢があり比較検討している状態)」へとステップアップするのだ。
「第3の大人」にアドバイスをもらう
ただ、自分1人で作った表は、独り善がりなものかもしれない。そこで、岩見沢東高校では、近隣大学の学生や職員などを学校に招き、生徒が作った進路選択表を見ながら対話する場を設けた。
通常、教師は「指導・評価する立場」、親は「保護・期待する立場」になりがちで、生徒は本音を話しにくい。三者面談でも、成績表を挟んで「この点数だと、ここが狙える」といった学力の話に終始しがちである。しかし、利害関係のない「第3の大人」は違う。
「へえ、君は『自由な時間』をこんなに重視してるんだ。面白いね」「この職業なら、こんな働き方もあるよ」といったように、新たな視点を投げかけてくれたという。

















