新NISAで爆売れ《オルカン》が抱える"3つの死角"、運用担当者が「これ1本で老後は十分ではない」と語る真意

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長期になるほど、コストの差は複利で効いてくる。「最安」が保証されている安心感は大きい。

シンプルさも見逃せない。銘柄選びに悩む必要がなく、リバランスも不要。投資についてあれこれ考える時間を、仕事や家族との時間に使える。

そしてスケールメリットだ。純資産残高は9兆7000億円に達し、三菱UFJアセマネの磯江功執行役員は「来月には10兆円に届く」と見通しを語った。資産規模が大きいほど運用効率は上がり、さらなるコスト削減の余地も生まれる。規模が規模を呼ぶ好循環に入っている。

課題があるとしても、資産形成期の選択肢としてオルカンの合理性は揺るがない。問題は、その「先」なのだ。

「1本で大丈夫」の本当の意味

結局、「オルカン1本で大丈夫か」という問いにどう答えればいいのか。答えは「大丈夫」の定義による。

20代から40代の資産形成期であれば、低コストで世界分散ができるオルカンは十分に合理的な選択肢だ。毎月コツコツ積み立て、相場の上下に一喜一憂せず長期で持ち続ける――。この戦略においてオルカンの優位性は揺るがない。

だが、忘れてはならないこともある。オルカンは株式100%の投資信託だ。預金や債券のような安全資産ではない。

ネット上では「オルカンは貯金みたいなもの」という声や、証券担保ローンで借り入れをしてオルカンを買い増すのが合理的だという意見まで散見されるが、これは過信が過ぎる。相場が急落すれば資産は大きく目減りするし、為替が円高に振れれば円建ての評価額はさらに下がる。「オルカン信仰」とでも呼ぶべき風潮には、冷静な目を向ける必要がある。

運用会社自身が「次のステージ」の商品設計を模索しているという事実は、オルカン1本では解決できない課題があることを物語っている。中島氏の言葉が思い出される。「ファンドに寄った話より、ご自身の人生を考えていただきたい」。オルカン7連覇の裏で語られた「本音」は、投資家一人ひとりへの問いかけでもあった。

斎藤 健二 金融・Fintechジャーナリスト

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さいとう けんじ / Kenji Saitoh

2000年よりWebメディア運営に従事し、アイティメディア社で複数媒体を創刊、編集長を務める。その後メディア事業担当の役員としてビジネスメディアやねとらぼなどの創刊に携わった。2023年に独立。Xアカウントは@3itokenji

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