一風堂のラーメン「飽きられない」本当の理由

世界で勝負する名店は変化を恐れない

その姿勢は社員一人あたりにかける教育費の高さにあらわれている。産労総合研究所の2014年調査結果によると、従業員数1000人以上の日本企業が社員1人当たりにかける教育費の平均は4万円だが、一風堂を運営する力の源グループは実に8.8万円にも上る。

外国語での接客にも力を入れている

人材育成大手のグロービスと提携した「次世代経営者育成プログラム」では若手社員25名が、忙しい業務に並行して論理思考力やマーケティング、アカウンティングなどを学んでいるというから驚きだ。

「海外でビジネスを推し進めるためにはグローバルで通用する思考が必要でした。」。現在まだ35歳の若さながら、2008年のニューヨーク出店をはじめ、世界各地への一風堂進出に携わってきた島津さんは言う。

パート・アルバイトにも手厚い能力開発を行っているという話も印象的だ。各店で活躍するパート・アルバイトを各拠点のオフィスに集め、衛生や接客レベル向上研修を半日がかりで毎月開催している。

店を超えてスタッフが協力し切磋琢磨することで選ばれるお店になるのだろう。また、増え続ける外国人観光客への外国語対応力を向上させるため、挨拶から注文取り、麺の硬さの確認など、店で多用するフレーズを、歌を憶えるように楽しく脳に刻み込む外国語トレーニングアプリ「パロット」を導入している。英語、中国語、フランス語で流暢に接客できるスタッフを増やそうとするこの取り組みからも、一風堂はすでにグローバルブランドであることを再認識させられる。

今の消費者は目新しいものに飛びついても一定期間が過ぎると飽きてしまう。ワタミやマクドナルドなどの不振は不祥事がきっかけではあるものの、業界大手の地位を確立しても安穏とはしていられない。飽きられてしまったら一気に客離れが進む恐れはある。

今の強みを生かしつつも、移ろいやすい消費者の気持ちを推し量りながら、「変わらない」ために「変わり続けられる」か。成功体験に安穏とせず、次の一手を打ち続ける。一風堂や外食業界に限らず、あらゆる産業、企業にも当てはまる勝利の鉄則といえるだろう。

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