「生徒を殴り、説得する教師」→「一緒に悩み、伴走する教師」へ…ドラマで描かれる"理想の教師像"はなぜここまで変わったのか

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実際、数年前までは「この先生の授業は分かりにくい」や「ここを変えてほしい」など不満も多く寄せられていた。しかし、相談内容は年々「不満」から「不安」にシフトしていると感じる。

事実、前述の「やりたいことが見つからなくて……」という悩みの後には高頻度で「将来役に立ちそうだからとりあえず情報系の大学・学部を視野に入れます/就職強そうな大学を選びます」といった発言が続く。中高生も将来が不安なのだ。

教師×生徒は上下関係ではなく、前後関係へ

将来に不安を抱く若者たちにとって、真っ先に物差しになるのは親だろう。だが、親子関係も現代は変容している。

Z世代(1990年代半ば~2012年頃に生まれた世代)を研究した博報堂生活総合研究所の『Z家族 データが示す「若者と親」の近すぎる関係』は、Z世代の親子関係に関して、こう言及している。

「Z世代の若者にとって、親子は『上下関係』ではなく、いわば『前後の関係』です。親は自分の少し前を歩くメンター」

そして、これは親子だけでなく、教師と生徒の関係性にも当てはまるだろう。

『御上先生』と同じく2025年に放送された学園ドラマ『僕達はまだその星の校則を知らない』では、生徒が未熟な教師である白鳥健治(磯村勇斗)に対して「へっぽこだけど、迷ってるまま大人になってる人って信用できるなって今では思ってます」と打ち明けるシーンがある。

生徒と前後関係をうまく築き、最適解を探すために一緒に奔走する教師はトレンドであり、実際に生徒が求める教師像になりつつある。

『3年B組金八先生』で存在していた、生徒同士の異性関係で問題が生じたときの「生徒間の交際は学校の監督下にあるわけだから」という教師の発言から感じる管理的な雰囲気は、上下関係のもとに成立するものだ。

中学生のドラッグ使用について描かれた第7シリーズ。令和の今では、問題はより深刻になったかもしれない(画像:TBSチャンネル公式サイトより)
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