「なまけ病」なんかじゃなかった…専門医が解説【朝起きられない子ども】が抱える"病の正体"と対策法

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人は立ち上がったとき、重力に逆らって脳に十分な血液を送るために血圧や心拍数を上げる必要があります。この調節を行う自律神経(交感神経と副交感神経)が正常に機能しなくなると、脳への血流が一時的に不足して、さまざまな症状につながります。

この疾患は、自律神経が未成熟な学童期から思春期にかけて発症することが多く、成長とともに自然に改善していく子も少なくありません。その一方で、漢方薬や血圧を調整する薬を使ってもなかなか治らない子もいます。

「起立性調節障害」は栄養で改善していくことも多い

私のクリニックに来た中学生の男子・A君は、バスケットボールのクラブチームに入って活躍していましたが、中学1年生の半ばごろから起きられなくなりました。

登校時間になっても、頭痛や立ちくらみなどの症状で布団から出ることができません。

また、起きられたとしても午前中は立ちくらみや倦怠感が強く、学校にも行けなくなりました。血液検査や起立時の血圧を測る検査をしてみると、やはりODでした。

A君には、漢方薬や血圧を調整する薬を処方すると同時に、栄養指導も行い、毎日の食事やサプリメントで鉄・タンパク質・ビタミンB群を取り入れてもらった結果、症状が安定してきて、少しずつ学校にも行けるようになりました。

A君が発症したのは、ちょうど背がグッと伸びた時期でした。小学校高学年からの二次成長の時期には体が急激に成長するため、栄養量が追いつかなくなってしまうことがあります。さらに、幼少期からの栄養不足が蓄積した結果、一気に成長するこの時期にツケが回ってくるかのように表面化することがあるのです。

つまり、必要な栄養が枯渇した状態におちいり、体がうまく動かせなくなるほどエネルギーが足りていない状態になっていたと考えられます。

また、小学校高学年以降は心身に大きな変化が生じる時期であり、ODにもメンタル面が関連してくることがあります。

自律神経の乱れが主な原因となっている「単純型」のODの場合は、漢方薬や処方薬の服用を3~4か月ほど続ければ改善することが多いのですが、メンタル面の要因が絡む「複雑型」の場合、薬だけではなかなか効果が得られないことがあります。

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