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「夫は病院を、息子は自宅を勧めるけど…」 延命治療を拒否した妻が《最期の場所》を悩む理由

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  • 萬田 緑平 在宅緩和ケア医、緩和ケア萬田診療所所長
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そんなはずはない、というのがスタッフの考え方だった。

家族も節子さんの死を受け入れているし、家庭内の空気は穏やかで落ち着いている。「本人の希望通り、このまま自宅で過ごして家族が看取る」という方向で問題ないはずだ。

早急に家族と面談の必要があるとカンファレンスで話し合い、看護師が面談を提案しようとしていたところ、長男の靖人さんからも面談を申し込まれた。

節子さんは初診から小笠原院長が診ていて、この時点で僕はまだ節子さん本人に会っていなかった。いっぽは担当制ではなくチーム医療を実践しているので、カンファレンスを徹底的に行うことでスタッフ全員がすべての患者さんの状況を把握している。

自分の希望より、夫や息子への思いを語る患者

節子さんと家族との間で、何か問題が起こっているのだろうか。入院が本人の本音の希望ではないとしたら、どこかに問題解決の糸口はあるはずだ。僕は本人に会わないまま、この訪問診療が終わってしまうのは納得いかず、僕の判断で急遽、節子さんを訪問した。

「どうですか? 何か不安や困っていることなどはありますか? 看護師から節子さんが入院を希望されたと聞いたのですが」

「おじいちゃんに……、あ、夫のことですけどね、迷惑かけているのがつらいです。息子たちは『このまま家でがんばれ、俺たちも手伝うから』と言ってくれるのですが……。どうしようかなあと思っています」

「節子さん自身は、このまま家にいることに不安は感じていますか?」

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【「そのまま逝けたらいいのになあ」】

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