日本株の上昇を支える「変わらない3つの市場構造」、「日経平均6万円到達への道」は見えている
なぜここまで自己株買いが増えたのか。それは主に以下の4つの理由による。
①2023年から続く東京証券取引所のPBR(株価純資産倍率)改善要請だ。「資本効率を意識した経営をせよ」という東証の強いメッセージでPBR1倍割れ企業が、自己株買いという「最も即効性のある改善策」で対応したからだ。
②アクティビストの圧力もある。株主還元強化を求める声に対して、企業は対話の一環として自己株買いを積極化した。
③企業が政策保有株売却の都合の良い受け皿として活用したこともある。
④バランスシートの膨大な余剰資金がバックにあることも大きな理由だ。民間非金融法人企業の現預金残高は25年9月末で356兆円(日銀「資金循環統計」)もある。これは世界でも突出した水準で、アメリカ企業の約2倍に相当する。
「日経平均6万円」への道筋が見えて来る
ただ「実質的に自由に使えるキャッシュ」は拘束される資金(運転資金・借り入れ返済・既存投資の維持など)を除いた「純粋な余剰キャッシュ」であり、一般に拘束される資金の比率は、製造業60〜70%、サービス業40〜60%、全産業平均で約70〜80%と言われ、全産業平均の70〜80%で計算すると、「純粋な余剰キャッシュ」は残りの20~30%となる。
前出の「356兆円の現預金」の20~30%は71兆円~108兆円になるが、実際に企業が動かせるのはさらにそのうちの60%程度というのが常識で、最終的な「余剰キャッシュ」は43〜65兆円と推定される。
また、自己株買いは“発表ベース(枠の設定)”と“実行ベース”があるので、25年の確定値が出るのは、24年のときにならえば9月となる、結局、企業が持続的なバランスを考えたうえでの余剰キャッシュの自己株買いへの振り替えは、前出の43〜65兆円のうち、20兆円超と推定されている。
この傾向は変わらず、「企業はキャッシュをため込みすぎ」と言われる昨今の情勢から26年もさらに増えると思われる。とにかく、自己株買いは「需給改善・EPS押し上げ・PBR改善の『三位一体』で株価を押し上げる最も有効な手段」であることには変わらない。ちなみにセクター別の自己株買いの恩恵度は銀行、商社、自動車、半導体・電子部品、建設・不動産の順であると言われている。
アメリカ景気の減速、140円台への急激な円高、日銀の想定外の「タカ派化」、日本企業のガバナンス改革の停滞、地政学リスクの深刻化、さらに今月は与党の議席獲得数が大方の事前予想から大きくぶれるなど、先々のリスクは多々ある。だが、前出の市場構造を踏まえれば改めて「日経平均6万円到達の可能性が高い」ことがわかるはずだ。引き続き、筆者の見方は「押し目買い一貫」で変わっていない。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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