「泣く子はいねがー」もコンプラ重視、<ナマハゲ訪問は許可制、家具壊せば弁償>。裸祭りは「下着着用」へ―変わる伝統行事
祭事への女性参加という点では、福島県の伝統行事「相馬野馬追(そうまのまおい)」は2025年、女性参加制限の撤廃を発表した。従来は未婚・20歳以下の女性のみ騎乗可能などの性別・条件制限があったが、この条件緩和によって性別・年齢・婚姻状況に関係なく参加可能になった。多様性尊重に加え、担い手を拡大する狙いもあったようだ。
若者の担い手不足をどう解消するか
少子高齢化が急速に進む日本では、祭りの担い手不足が各地共通の深刻な問題である。特に重要無形文化財の保持者のうち60歳以上の割合が高まっており、若者の担い手不足の解消は全国的な課題と言えるだろう。
そんな中、大阪市浪速区・新世界で開催されている「新世界夏祭り巡行」は、近年地域外の多彩な参加者を積極的に受け入れる改革が進んでいるとして高く評価されている。伝統的に地域住民中心で行われていた行事だったが、主催する新世界町会連合会の取り組みにより、町内外のグループや個人が加わり、かつての地元中心の構成から大きく変化した。
2025年の巡行では、地域の少年野球チームをはじめ、ギャル神輿を担ぐ女性グループ、日本橋エリアのメイドカフェスタッフ、留学生、女性アイドル、女子サッカーサポーター、アーティストなど多様な世代・性別・背景を持つ人々が参加し、祭りを盛り上げた。特に女性グループや外部団体の参加が目立ち、伝統行事でありながら新しい参加形態として注目されている。
地域だけでなく周辺コミュニティや観光客も巻き込むことで、祭りの活性化と次世代への継承につながる面がある。新世界夏祭りは地元住民に加えて外部の若者や女性ら多様な参加者を受け入れる「開かれた地域文化の場」として発展している好例と言えるだろう。
長野県飯田市の伝統行事である「遠山の霜月祭」(旧暦霜月に行われる湯立神楽)でも、祭事に若者・女性・外部参加者を積極的に登用する動きがある。
飯田市南信濃の木沢霜月祭り野郎会は、同地区の祭り好きの若者を中心に2014年に設立された。県外在住者や女性、地域の中学など10~50代が多く参加している。祭りの中心は60~70代で、当初は若い層の参加を快く思わない住民も少なくなかったという。
しかし、神事、舞、笛、太鼓の練習を熱心に続け、祭りの準備や片付けにも進んで参加するようにすると、高齢層の理解も得られるようになった。祭りでは氏子地域内の男性が運営を担ってきたが、現在は笛・着付け、炊事などを担当する女性が参加したり、地区外から参加したりする人も増えている。
伝統行事を継続するためには、人手や労力の確保は欠かせない。行事の根本部分の伝統や文化は維持しつつも、時代の変化や価値観に即した柔軟な対応がますます求められるのは間違いないだろう。
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