「泣く子はいねがー」もコンプラ重視、<ナマハゲ訪問は許可制、家具壊せば弁償>。裸祭りは「下着着用」へ―変わる伝統行事

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2021年(第58回)から新型コロナウイルス感染症対策の一環として入場有料化(事前申込制)が導入され、その後もこの方式が定着した。

なまはげ柴灯まつりで御幣をもつナマハゲ
なまはげ柴灯まつりで御幣をもつナマハゲ(写真:男鹿市)

2018年(第55回)からは、祭りの見学者から「何をやっているか見えない」との指摘を受けたことを踏まえ、見やすいように会場に大型モニターを設置した。「観光客のためのお祭りである要素が強いので、観光客のニーズに合わせて、変化してきています」(同担当者)。

「裸祭り」は打ち切りの例も…現代の価値観を尊重

ナマハゲの他にも、日本全国の伝統的な祭りにおいて現代の価値観や考え方、生活スタイルなどの変容を受けて内容やルール、運営方式などが変更された例は少なくない。岩手県奥州市の名物伝統行事であり、全国的にも知られていた「蘇民祭」は、1000年以上続いた「裸祭り」が2024年をもって最終開催となった。

蘇民祭
蘇民祭(写真:岩手県奥州市サイトより)

2023年12月、蘇民祭を行っていた同市の黒石寺は、「祭りを担う関係者の高齢化と今後の担い手不足により祭りを維持していくことが困難な状況となった」ため、2025年以降の黒石寺蘇民祭は行わないことを発表した。長く続く伝統行事の打ち切りは、関係者にとって苦渋の決断だったろう。

蘇民祭のように行事自体の打ち切りを決める例はまだ少ないものの、長く続く「男性中心」の伝統行事のあり方を見直す例は近年増えている。三重県尾鷲市にある尾鷲神社の例大祭「ヤーヤ祭り」では2024年から、男衆が全裸で心身を清め海や川へ飛び込む「垢離掻き(こりかき)」を、全裸でなく下着着用の上実施することを決めた。SNSへの画像拡散などへの配慮に加え、参加者・担い手の減少、住民の高齢化で行事の継続が困難になったこと、裸祭りに対する考え方の変化、地域コミュニティの希薄化なども影響しているとみられる。

いわゆる「裸祭り」は人によって考え方や賛否が大きく分かれることもあり、現代の価値観を尊重し、全国各地で長年の慣習を変える例が増えている。愛知県稲沢市の「国府宮はだか祭」は2024年から、一部神事で女性団体の参加を解禁した。具体的には、笹の奉納(なおい笹)などに女性が参加可能になった。その背景には、裸祭りに対する考え方や価値観の変化に加え、いわゆる「女人禁制」文化の見直し、担い手不足の解消など複合的な要因がある。

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