国難級災害で"スマホ圏外"の怖さ。能登半島地震の教訓から我々はどう考え、備えるべきか

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IT DARTの活動の様子
IT DARTの活動の様子。志賀町の避難所でIT機器のセットアップを行う(左から2人目が宮川さん)(写真:宮川さん提供)

首都直下地震が発生する確率は、今後30年間で70%程度――。

この数字をどう見るかは人によって違うだろう。だが、昨今の自然災害時の支援で問題になっていることの1つに、「通信インフラ被害」があることは知っておきたい。東日本大震災では、携帯電話がつながらないことで、困難な状況に遭った人も少なくない。

政府は、首都直下地震(M7.3クラス)で停電やケーブル被害が重なれば、1都3県で基地局の約半数が止まる可能性を示した。もしも今日、同じ規模の地震が起き、スマートフォンが「圏外」になったら――。私たちが想像する以上に、災害時の「通信断」は生活と支援を同時に止める。

スマートフォンがなければ人とつながれない、情報も取れないという現代社会のなかで、通信インフラ被害によってどんな問題が生じるのか、そして備えておくべきことはなにか。災害対応における自称“IT屋”と話す、一般社団法人情報支援レスキュー隊(IT DART)代表理事、宮川祥子さんを取材した。

(本稿は前後編でお届けします。後編は災害医療のスペシャリスト・秋冨慎司さんに話を聞きました)

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災害時にはネットが使えなくなる

政府は2025年12月19日、首都直下地震(マグニチュード7.3クラス)について、12年ぶりに被害想定(人的・物的被害)などを更新した。

宮川祥子さん
宮川祥子さん 一般社団法人情報支援レスキュー隊代表理事・慶應義塾大学看護医療学部准教授(写真:宮川さん提供)

中央防災会議・首都直下地震対策検討ワーキンググループの報告書「首都直下地震の被害想定と対策について」によると、<冬・夕方・風速8m/s>で地震が起こった場合の死者数は、約1.8万人。

そのうち最も多いのが地震火災による死者で、約1.2万人にのぼると想定した。

通信インフラに関しては、停電と通信ケーブルの被害などにより、最大で1都3県の基地局の約5割が停波。このほか、固定電話やインターネットの不通回線数は、最大で約760万回線にのぼるとされている。

一度災害が起こると、ネットがつながらない、電話がかけられない――。決して他人事ではないのだ。

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