正答率97%! 最新「GPT-5.2」が大学入学共通テストでたたき出した"驚愕の数字"が示唆する《AI脅威論》では済まされない現実

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大学入学共通テスト
最新のAIに大学入学共通テストを解かせてみたら、正答率はなんと約97%。この現実が示すのは「人間はAIにかなわない」という単純なものではない(写真:YsPhoto/PIXTA)
大学入学共通テストなど従来型の学力テストにおいて、生成AI(人工知能)は人間を大きく上回る水準に到達したことが明らかになった。この事実が意味するのは、人間とAIの優劣の逆転ではなく、知的作業における分業の再設計が不可避になったということである。とりわけ、学校教育と試験制度は大きく転換する必要がある。共通テストで示された結果は、その転換がまだ行われていないことを示すものだ――。野口悠紀雄氏による連載第165回。

共通テストで示されたAIの圧倒的な能力

OpenAIの最新モデル「GPT-5.2 Thinking」に2026年度大学入学共通テスト15科目を解かせたところ、得点率が96.9%に達したという報道があった。9科目で満点。受験生平均との差は約39ポイントに及んだ。 

知的作業のさまざまな領域においてAIがすでに人間を凌駕していることが明らかになっているが、大学入学共通テストが測定しようとしている知的能力においても、いまや生成AIは人間を大きく上回ることが示された。

これは、AIベンチャーのLifePrompt(ライフプロンプト)と日本経済新聞社による共同検証で明らかにされたものだ。ライフプロンプトは23年度から毎年、生成AIを用いて同種の検証を行っているが、当初の得点率は約66%にとどまっていた。わずか2年で30ポイント以上も向上したことになる。驚くべき急激な伸びだ。

この結果の意味を理解するには、これまでの試みと比較するのがわかりやすい。

国立情報学研究所が11年から進めた「東ロボくんプロジェクト」(大学入試レベルの問題をAIに解かせる試み)は、最終的に総合偏差値が57程度と評価され、16年に東京大学合格を断念した。当時のAIは、個別科目では一定の成果を上げても、総合的な学力評価において不十分だった。

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