「売れない田舎の実家」知っておきたい意外な対策――専門家が教える「隣人」「民泊」「移住」活用法と、絶対に放置してはいけないワケ

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こうした状況に対して、国や自治体はいろいろな対策に乗り出しています。具体的な法整備としては2015年に制定された空家対策特別措置法(2023年改正)があります。

空き家は本来住宅として機能を果たしてきました。そのため固定資産税が優遇されています。具体的には敷地面積200㎡以下の土地については固定資産税が6分の1に、都市計画税(規定のあるエリアに限る)が3分の1に軽減されています。

行政で代執行された場合

しかし特措法では、放置が続いた空き家で自治体から管理不全空き家に認定されたものについては、軽減措置を剥奪されてしまうことになりました。背景には税金が特例で安いため、主がいなくなった家でもそのまま放置して、税負担を少なくしておこうと考える人が後を絶たないためとされています。

それでも放置状態が続くと、自治体から特定空き家に認定されてしまいます。特定空き家とは

①倒壊など著しく保安上危険となる恐れがある
②アスベストの飛散やごみによる悪臭など著しく衛生上有害となる恐れがある
③適切な管理がなされず著しく景観を損なっている
④立木の繁茂や動物の棲息による糞尿など周辺生活環境を乱している

などの要件に当てはまる空き家について指すものです。

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特定空き家に認定されてしまうと、自治体がその管理や処分について助言→指導→勧告→命令→行政代執行といったプロセスに沿って強制力を強めてきます。

改正法では、「勧告」の段階で「命令」を飛ばして行政代執行によって空き家を解体撤去できるようになり、手続きの簡素化が図られました。

今、家の撤去費は建設費と同じく高騰しています。原因は人手不足と廃棄物処理の複雑化です。一般的な家屋(35坪程度)を解体する場合、敷地の形状や道路付けにより異なりますが、一般的には200万円程度かかるようになっています。

これを行政により代執行された場合には、後日この費用については空き家所有者に請求され、支払わない場合にはほかの財産の差し押さえを行うなど厳しい罰則となっています。

親の残した家を、面倒くさいからといって放置する、目の前に存在せず地方にあるのでついつい後回しにして管理を怠っていると、思わぬ罰を受けるので注意が必要です。

牧野 知弘 不動産事業プロデューサー

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まきの ともひろ / Tomohiro Makino

1959年生まれ。東京大学経済学部卒。第一勧業銀行(現・みずほ銀行)、ボストンコンサルティンググループなどを経て三井不動産に勤務。J-REIT(不動産投資信託)執行役員、運用会社代表取締役を経て独立。現在はオラガ総研代表取締役としてホテルなどの不動産プロデュース業を展開。著書に『不動産の未来』『負動産地獄』『空き家問題』『2030年の東京』(河合雅司氏との共著)『空き家問題』『なぜマンションは高騰しているのか』(いずれも祥伝社新書)など。

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