「売れない田舎の実家」知っておきたい意外な対策――専門家が教える「隣人」「民泊」「移住」活用法と、絶対に放置してはいけないワケ

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放置して数カ月もたつと空き家はどうなるでしょうか。

まずは庭の草木が生い茂るようになります。植物の成長力はすさまじく、特に夏場はあっというまに繁茂します。勢いよく伸びた蔓や枝は土地の境界をまたぎ、隣家の敷地内に侵入します。秋になれば落ち葉が大量に隣地を埋め尽くします。

2023年に改正された空家対策特別措置法では、それまで禁じられていた、隣地から伸びてきた木の枝葉を隣地所有者が勝手に伐採することができるようになりましたが、だからと言って、お隣さん勝手に切ってください、というわけにもまいりません。

腐朽が進んだ家屋の問題

日本の気象は最近急速に亜熱帯化し、ゲリラ豪雨や台風などの自然災害によって家の傷みは急速に進みます。

木造家屋の場合は湿気に弱いため、おおむね2年も放置すると、居住に適さない状態にまで腐朽が進んでしまいます。特に上下水道など配管類は、通水しないことで劣化が進み漏水するようになります。

こうした状況になると、もはや改めて居住するには多額の修繕費がかかるようになり、ただでさえ住む予定がないのに、いまさらお金をかけて修繕するなどという動機は生ぜず、さらに放置を続けることになります。

腐朽が進んだ家屋は、ただ朽ち果てるのではありません。強風で瓦が飛ぶ、はがれた木材が道に散乱するなど、近所に危害が及ぶようになります。

また空き家は動物たちの絶好の棲家となります。ねずみはもちろん、たぬきやハクビシンなどが棲息すると、餌の残骸や糞尿などで悪臭を放つようになります。

汚すのは動物たちばかりではありません。通行人が空き家をよいことにごみを捨てる。中には大型家電などを持ってきて捨てる。ゴミ屋敷化には通行人などの他人も協力しているのです。

住みつくのも動物だけではありません。ホームレスなどが侵入する、不逞の輩が集まりアジトにする、など治安の問題も発生します。都内でも空き家が放火され、周辺に類焼して大きな被害が発生した事例が報告されています。

今後高確率で発生が予想されている大地震ですが、地震時に家屋が倒壊すれば、避難路を塞いで被害を広げる危険性もあります。

放置空き家問題は自身の問題としてだけでなく、近隣を巻き込み多くの被害を発生させることが考えられます。放置は罪なのです。

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