「日本人の8割が歯周病」「でも歯周病は自分で治せる!?」…毎月まじめに歯科に通う人ほど知らない"勘違いケア"の落とし穴
多くの人は、歯槽骨がなくなって歯がぐらつき始める最終段階の歯周炎(重度)の状態になって初めて歯周病を自覚します。ここまで来ると、歯は“自然脱落”と呼ばれる自然に抜ける一歩手前の状態です。歯周病は静かに、確実に進行する病気なのです。
歯磨きは、実は1日1回で十分
「歯磨きは毎食後、1日3回するべき」「1回につき5分以上はするのが理想」といったイメージを持っている人は多いと思います。でも普段の掃除で回数や時間を気にするでしょうか。「ホコリが取り切れれば終わる」という認識を持った方がほとんどのはずです。
はじめにお伝えしたように、歯磨きの本来の目的は、歯周病の原因であるプラークを取り除くこと。プラークは24時間で蓄積するので、正しい歯磨きなら「1日1回」で十分なのです。そして、磨く時間もプラークがしっかり取れてさえいれば、どれだけ短くても良いのです。
重要なのは、回数や時間ではなく「質」です。スマホ片手に行う“ながら磨き”を1日3回するよりも、手鏡で歯をよく見て丁寧に磨く1回のほうが、はるかに意味があります。また、歯磨きのゴールは「○分間やった」ではなく「適切な箇所に歯ブラシを当てられたかどうか」。それを自分の目で判断して終えるのが、正しい磨き方です。
繰り返しますが、歯磨きは食べかすを取るための行為ではありません。時間が経つと空気中のチリが集まってホコリになるように、プラークは何も食べなくても自然に溜まってくるのです。つまり、丸1日何も食べていなくても、1日1回は歯磨きが必要だということです。
ちなみに口腔内のプロであるはずの歯科医師や歯科衛生士であっても、歯磨きのトレーニングをきちんとしていなければうまく磨けません。国家試験に歯磨きの実技試験はありませんからね。
実際、私は歯科医師になってから本気で歯磨きをした後で、磨き残しを染める液で自分の口腔内を染めてみたところ、普段接している患者さん達と何ら変わらない程にしっかり染まりました。
「よくこんな歯磨きのレベルで他人に指導しようとしていたな……」と恥ずかしくなったことを鮮明に覚えています。
それからというもの、「患者さんに教える以上は自分の口腔内くらい完璧に磨けなくては!」と、プロ意識を持ってトレーニングに励みました。その経験が後にお伝えする歯磨き理論の体系化につながっています。
「たかが歯磨きでしょ?」と思われる方も少なくありませんが、本当の歯磨きを実践できるようになると、体感レベルで劇的な変化が得られるはずです。歯のツルツル感や口臭のなさはもちろん、自分で自らの口腔内を管理できている感覚をぜひあなたにも体感していただきたいと思っています。
歯磨きは一度身につけてしまえば、歯周病のリスクから生涯解放されます。実際に私の医院では歯磨きの仕方が改善されない限り歯周病の治療を行わないこともあって、治療結果は良好で、メインテナンスにしっかり通っている方で再発した例はありません。
一朝一夕で歯磨きのやり方は変わりませんが、少しずつ努力を重ねることで一生の財産になり得るのが正しい歯磨きなのです。
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