「私の好みは、女性の香りがする男性です。若い頃は性的な関心がもっと女性に向きやすくて、性同一性障害の女性と長くお付き合いをしていました」
東京都内の老舗蕎麦店で、やや衝撃的な告白をする沢村沙織さん(仮名、41歳)と向き合っている。細身で小柄だがショートカットでジーパン姿。沙織さん自身も中性的に見えなくもない。マッチングアプリで知り合って約1年前から同居している真人さん(仮名、40歳)とは事実婚の間柄だというが、彼との出会いの前に沙織さんの多様性に満ちた遍歴を聞くべきだろう。
高校生時代から感じていた、性の揺らぎ
埼玉県で生まれ育った沙織さんが誰よりも敬愛しているのは父親だ。事業家としても家庭人としても圧倒的な存在だという。
「母方が事業をやっていて、祖父には数億円の借金がありました。その会社に入った父が立て直して借金を返済。大胆かつ繊細な父は母のことが大好きで、私と姉の前で『美幸(沙織さんの母親の仮名)とお前たちが川で同時に溺れていたら、オレは迷いなく美幸を助ける』なんて言っています。仲が良すぎてケンカも激しい両親がとにかくすごいので、私には結婚は関係のないものだと思っていました。今でも私はこじらせ気味のファザコンです」
ファザコンに加えて、高校生時代から自分の性が揺らいでいたと明かす沙織さん。女子高だったこともあり、「好きな女の子」ができた。
「押してみたら受け入れてくれて成就しちゃったんです。明確に恋人同士だとは言っていませんでしたが、気持ちは通じ合っていたし、そういう行為もしていました」
一方で、沙織さんには部活で憧れの先輩がいた。他の高校で活躍していた2学年上の雅美さん(仮名)だ。



















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