「14年の同性愛」と「ファザコン」―父親の顔色をうかがって婚姻届を出さない資産家娘41歳の"こじれた葛藤"

✎ 1〜 ✎ 311 ✎ 312 ✎ 313 ✎ 314
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

「彼には仕事に集中してほしいからです。彼が長年飼っている猫が私に懐いてくれるか心配でしたが、毎日『可愛いね~』と褒めて口説いています」

雅美さんとの生活では「夫」的な役割だった沙織さんだが、真人さんとの事実婚生活では「妻」として内助の功を尽くしている。どちらも本当の沙織さんなのだろう。人間は多面的な生き物で、環境によって表に出る性格や能力が変わるのだ。

婚姻届を出さない理由

真人さんは婚姻届を出すことを願っているが、沙織さんは「子どもが要らない私たちが籍を入れる意味がわからない」と言いつつ、実際は「法律婚じゃないと国から守ってもらえない」と感じている。それでも婚姻届を出さないのは、やはり父親の意向が気になるからだ。

「父の会社を継いでいる私には財産があります。今は不動産の管理だけが業務なので、主婦業をできているんです。今すぐ結婚すると、私と比べてお金のない彼は『財産狙いだ』と両親から思われかねません。彼と母は何度か会っていますが、父は『会いたくない』と言うんです。ずっと一緒にいるつもりのパートナーだとは伝えているのですが……」

この連載の一覧はこちら

こういうケースの多くは、可愛い末娘を手放すのが悲しい男親のワガママだったりするのだが、沙織さんは父親の本音を問いただしたわけではない。ファザコンを自認する沙織さんは、父親の気持ちをあれこれ想像して苦しくなったりちょっと嬉しくなったりしているのかもしれない。

しかし、親世代は先に他界するものだ。今、手をしっかりと握るべき人は誰なのかを沙織さんは考えたほうがいいと筆者は思う。親の顔色ばかり見ているうちに相手から愛想を尽かされるかもしれない。判断力に富んだ沙織さんが行動するべきときは近づいている。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申し込みはこちらのフォームよりお願いします。
大宮 冬洋 ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事