戦後秩序終焉に見るカナダの適応とロシアの苦境/カナダ首相が歴史的なトランプ批判演説、米中のはざまで苦しむロシア

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今回のグリーンランド問題でトランプ政権が軍事力による占有も辞さない姿勢を一時示したことを受け、カナダとしては、隣国アメリカに対して、ハリネズミ化を進める方針とみられる。

防衛力をめぐっては、量だけではなく、質的にも大きな変化を進める。欧州連合(EU)との間の軍事協力の強化である。

カナダは米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)の加盟国であるが、25年に再登場した第2次トランプ政権の威圧的姿勢をみて、アメリカへの過度の依存を減らすため、EUとの間で歴史的な軍事的連携の強化を進めている。

カナダは、EUと包括的戦略パートナーシップで合意し、欧州の防衛物資調達枠組み「SAFE」への参加でも合意した。国家の要である軍事力整備をアメリカとだけではなく、欧州とも進めることで、ワシントンから不当な圧力を受けないことを狙った苦肉の策と言えよう。

「中国とロシアがグリーンランドを狙っている」は本当?

ここで話をグリーンランドの領有問題に移そう。トランプ政権は領有を目指す理由として、「中国とロシアがグリーンランドを狙っている」とたびたび言及している。

しかし、それは事実ではない。ロシアにとって、北極圏での最大の関心事は北極海航路(NSR)の開発だ。地球温暖化で北極海のロシア沿岸の海氷が減少したことを受け、ロシアはアジアと欧州を結ぶ最短の航路として、NSRの開発を急いでいる。

しかし、ウクライナ侵攻もあって、NSRの開発は計画より遅れている。この隙を狙って中国船のNSRへの参加が急拡大し、今やロシアは中国の参入を受け入れざるをえず、プロジェクトの進展を焦っている。

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