しかし、1980年代に入ると「大債務爆発」と呼ぶべき時代が到来する。1950年時点で対GDP比142%だった総債務は、2021年には294%へと、150パーセントポイント以上も上昇した。
注目すべきは、この間、民間債務も政府債務も歩調を合わせるように増大を続けている点だ。
かつて多くの経済学者は、政府債務が増えれば金利が上昇し、投資が圧迫され、インフレが加速して経済を損なうと警告した。
しかし、現実には政府債務が爆発的に積み上がる中で金利は急落し、家計の純資産価値は上昇を続けたのである。
私たちが「借金」と呼ぶものの正体が、実は「資産の創出」というエンジンそのものだったからにほかならない。
なぜ「国の借金」より「民間の借金」が怖いのか
では、借金はいくら増えても問題ないのだろうか。そうではない。真に警戒すべきは政府債務よりも「民間債務」の急増である。
政府部門は、自国通貨を管理し、債務を借り換える能力において民間部門とは比較にならない柔軟性を持っている。
一方で、家計や企業の債務はそうはいかない。民間債務、とりわけ不動産関連の過剰な融資が短期間に急増することは、日本の「失われた10年」や2008年の世界金融危機を予兆する、最も危険な赤信号である。


















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