一国の経済統計とは、突き詰めれば個人や企業、機関の財務情報をすべて足し合わせた数字にすぎない。
ここで「複式簿記」の基本原則を経済全体に当てはめてみよう。複式簿記の世界では、誰かの支出は必ず誰かの収入となり、誰かの負債は必ず誰かの資産となる。
経済を「家計」「非金融企業」「金融機関」「政府」「海外(ROW)」の5つのマクロ部門に分けて分析すると、一つのパターンがくっきりと浮かび上がる。
アメリカをはじめとする主要先進国では、家計と政府が最大の対極をなしている。つまり、家計が最大の純所得を計上しているとき、政府は最大の損失(赤字)を計上しているのだ。
政府が支出したマネーは消えてなくなるわけではない。その多くは最終的に給与や支援金として、家計の懐に入る。
この会計上の公理を無視して政府債務の規模だけを恐れるのは、循環器系の全体像を見ずに心臓の鼓動だけを心配するようなものである。
1980年代から始まった「大債務爆発」の正体
アメリカの債務の歴史を振り返ると、1981年を境に経済の性質が劇的に変化したことがわかる。
1950年から1981年までの期間は、第2次世界大戦で膨らんだ政府債務の「比率」が低下していく「大債務削減(グレート・デレバレッジ)」の時代だった。


















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