上場した後で成長が止まってしまうスタートアップが抱える問題とは? M&Aで成長戦略を描くために必要なこと

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ピッチコンテストの会場では、プレゼンテーションを終えた起業家には審査員からの質問が待っている。自らも起業経験者だという審査員は、「着眼点は良いけれど……」と前置きをした後で、本題に入っていく。

いわく、マネタイズの方法が甘い、すでにある同様のサービスと差別化できるか、なぜ事業化が遅れているのか、といった厳しい指摘が飛んでくる。それまでの高揚感は急激に冷めていき、目の前の現実が会場の雰囲気を支配し始める。

確かにアイデアは良いけれど、上手くいくのだろうか?

新たなビジネスを始めて成功にもっていくのは、やはり簡単ではないのでは?

起業家は上手く質問に答えているが、解決する課題がまだ多くありそうだ。

登壇者に与えられた持ち時間はあっという間に過ぎ、会場からのパラパラとした拍手の中、起業家はうつむき加減で壇上から下がっていく。

スタートアップの成功とは何か

ピッチコンテストの盛況ぶりとはうらはらに、スタートアップは創業から10年でその90%が姿を消すと言われる。

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帝国データバンクによると、創業から10年未満の新興企業の倒産は2024年で3080件、全倒産件数の約3分の1を占めると言う。

スタートアップとは、多産多死の厳しい生態系に棲息する生き物と言えそうだ。資金の調達ができなければ息絶え、また、調達できたとしても、素早い成長を実現できないと倒れていく。

この生態系には、シードと呼ばれる、アイデアの段階から製品やサービスの開発に到達するときに立ちはだかる「魔の川」、そして、開発のステージから事業化に漕ぎ着けるときに直面する「死の谷」もある。

スタートアップがそれらを越えていくのは至難の業だ。それでも起業家たちは、一攫千金、そして、新たなビジネスで世の中を変え、スター経営者となることに魅せられて進んでいく。

ピッチコンテストの会場では次のプレゼンテーションが始まっている。今度のスタートアップは、AIを使って幼児教育を進化させるという。

どんなアイデアなのだろうか。彼らは飛躍へのきっかけをつかめるのだろうか。彼らにとって、成功とは何を指すのだろうか。

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