年初来高値の2万0952円に近づいてきた 日経平均は2007年以来の8連続陽線が出現

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連続陽線だからといって上昇が続く相場とは限りませんが、下げて始まっても買いが入って終わるため弱くはありません。下落相場の中で8日間も陽線が続くこともないでしょう。連続陽線が出現する株価の水準によって見方は違いますが、今の状況、カラ売り筋にとっては収益が上がりにくい環境であることは間違いありません。

日経平均株価は先週から1万9700円前後が上値の壁になっています。ただ、週初の下げが2万円達成に良い助走になった可能性が高く、明確に上回ってくれば月内の2万円到達。目標達成感で調整はあっても、年内には6月に付けた年初来高値に近づく可能性は高いとみています。

2000年以降の15年間、国内主要指数の12月のパフォーマンスで最も好成績なのは日経平均株価です。次はTOPIXミッド400(TOPIXラージ70に次いで時価総額、流動性の特に高い順400銘柄で構成)、TOPIXラージ70(TOPIXコア30に次いで時価総額、流動性の特に高い70銘柄で構成)と続きます。日経ジャスダックやマザーズなどの小型株ではなく、比較的大きな銘柄で構成された指数のパフォーマンスが良好です。

SQに向けて株価上昇のシナリオ

師走は「餅つき相場(上げ下げする相場)」になりやすいといわれます。昨年をイメージすると、12月11日のSQ(先物やオプションの清算日)に向け先物主導で上昇というシナリオが浮上します。昨年は10月安値(1万4529円)から12月高値(1万8030円)まで24%上昇しました。今年の9月安値(1万6901円)から同じ率を当てはめると2万0957円で、年初来高値(2万0952円)に近い。そこまでは許されると判断してよさそうです。

8月急落前、2万円をサポートに堅調な相場が続いていました。なので、今は逆に上値抵抗になりえる2万円をすぐに超えることはないだろうと見立てる売り方が多ければ多いほど、相場が押し上げられる可能性が高まります。日経平均株価が下落すれば利益、上昇すると損失になる売りポジションを先物やオプション取引を使って組んでいた投資家は、これだけ下げて始まっても上昇して終わる相場が続くと、むしろ買い方よりも売り方が先高期待を持つようになります。上昇しても損失を限定するために買いポジションを増やしたり、売りポジションを解消する行動(買い戻し)をとり、それが今回もSQに向けて相場を押し上げる力になるかもしれません。

以前の当コラムで、株、ドル円ともに年内はボックスではないかとコメントしました。その見方に大きな変化はありませんが、来年2月に向けてはドル高・円安、株高にかなり振れる展開が予想されます。日欧の更なる追加緩和期待と米国の利上げなどが要因です。ただ、中国の需要不足などを背景として、原油価格を中心に商品市況が歴史的に軟調です。12月の米国の利上げが逆効果に出た場合、ドル安・円高、株安の反動には注意しておく必要はありそうです。

東野 幸利 国際テクニカルアナリスト

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ひがしの ゆきとし / Yukitoshi Higashino

DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部長。証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)教育委員、日本テクニカルアナリスト協会理事なども務める。
 

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