中目黒は「誰にでも住みやすい街」ではない…「芸能人の街・ナカメ」の裏側にある意外にシビアな生活条件

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しかし、「意外と普通に暮らせそう」という印象と、実際に求められる家賃水準や生活コストの間には、やはり無視できないギャップがある。住めないわけではないが、住み続けるにはそれなりの余裕が必要だというのが実情だろう。

中目黒が持つ独特のおしゃれな空気感は、こうしたコストや条件を引き受けられる人々によって、結果的に維持されてきた側面がある。高級住宅街だけでなく、ショップの集積や街の雰囲気そのものが、一定の経済的前提の上に成り立っているのだろう。

「誰でも住める街」というより、「条件を満たした人にとって快適な街」。その現実が、外部から見たときに「芸能人の街」「セレブな街」という言葉へと変換されてきたのではないだろうか。

ショップの集積は街の魅力なのか

街を歩いていてふと思ったのだが、中目黒には大型ショッピングモールが存在しない。その代わりに目立つのは、個人経営の飲食店やセレクトショップなど、「ここにしかない」店の集積である。

もちろん、日常生活に必要な店が何もないわけではない。駅周辺にはスーパーやドラッグストアが複数あり、日用品の買い出しに困る場面は少ない。日々の生活を回す最低限のインフラは整っている。

一方で、街を見渡しても「アカチャンホンポ」や「西松屋」、あるいは「ニトリ」のような、子育て世帯を明確に想定した大型店は見当たらない。かさばる日用品をまとめて購入できる場所や、ベビーカーで回遊しやすい商業施設も多くはない。

こうした欠落は、街を訪れただけでは気づきにくいが、子育て世帯や高齢者にとっては、必ずしも使いやすい環境とは言えないだろう。

実際、リクルートの住みたい街ランキング2025年版では、中目黒はシングル世帯からの支持を維持している一方、夫婦+子ども世帯向けランキングでは26位と、年々順位を落としている。街の評価が、ライフステージによって分かれていることがうかがえる。

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