白木屋・魚民が激減でも「モンテローザ」が潰れない理由、店舗6割減で"後出しジャンケン戦略"も捨てた《外食の覇者》の現在地
その象徴的な例が、学生街を中心に展開が進む「白木屋×バリヤス酒場」だろう。同店はドリンクの価格帯や看板メニューなどから、「それゆけ!鶏ヤロー!」の広がりを踏まえた設計とみられる。
ただ、かつてであれば、競合に近いコンセプトの新ブランドを立ち上げ、資本力で駅前を塗り替える戦略を取っていたはずだ。しかし現在は、「白木屋」という既存ブランドを残したまま、その内部を低価格業態へと切り替える手法を選んでいる。
長年培ってきたブランドの認知と、一等地にある大箱店舗という資産を生かし、中身だけを市場環境に合わせて更新する発想である。ゼロからブランドを育てるコストとリスクを避け、既存資産を最大限に活用して最短距離で収益化を図る。この現実的な判断こそが、モンテローザの現在地を象徴している。
メディア嫌いの2人の経営者がとった両極端の戦略
こうした剛腕とも呼べる判断を可能にしたのが、創業者であり、現・会長兼社長でもある大神輝博氏の存在だ。
ワタミやコロワイドの創業者が、上場企業の顔としてメディアを通じて「経営の夢」を語る中、同氏はメディア露出を極端に嫌い、業界団体とも距離を置いてきた。経営者としての思想や理想を語ることはほとんどない。代わりに、圧倒的なスピードで意思決定を下してきた。
同じく寡黙な経営者として対照的な存在が、ゼンショーホールディングスを率いる小川賢太郎会長である。同氏もまたメディア露出を好まず、業界団体とも距離を置く経営者だが、その描くグランドデザインは大神氏とは正反対だ。
小川氏率いるゼンショーは、「日本からフード業で世界一を目指す」という明確なビジョンを掲げ、M&Aを重ねながら事業規模を拡大してきた。理想と使命を前面に据え、足し算によって成長を追う経営といっていいだろう。


















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