白木屋・魚民が激減でも「モンテローザ」が潰れない理由、店舗6割減で"後出しジャンケン戦略"も捨てた《外食の覇者》の現在地

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そもそもモンテローザの後出しジャンケン戦略は、「和民」や「塚田農場」といった他社の成功ブランドを徹底的に模倣したうえで、「魚民」や「山内農場」として展開し、圧倒的な資金力で駅前の好立地を押さえていくものだった。

新時代
かつて居酒屋新御三家のあった店舗後に、「新時代」などいわゆる「第4世代」の新興勢力の店舗が入るケースも増えている(写真:筆者撮影)

市場の不確実性を競合に負担させ、勝ち筋が見えた段階で資本力を投下するこのモデルは、「徹底模倣による最適解の追求」ともいえるだろう。それが通用しなくなったのは、4つの構造変化による影響が大きい。

スマホが変えた「消費者の目」

1つ目が「テクノロジー」の変化だ。かつての居酒屋選びは「駅前で目についた看板に入る」という偶然性に支えられていたが、スマートフォンの登場によって前提が根底から覆る。

消費者はグーグルマップの評価や、SNS上の投稿を参考にして、あらかじめ店を選んでから来店するようになった。また、テクノロジーが情報の不透明さを解消した結果、外見だけを模倣した店は検討にさえ入らなくなる。

この変化は、「消費者の目」そのものも変えた。ネットを通じて“本物”の情報が手に入るようになり、「失敗したくない」という意識が強まったことで、消費者の審美眼が向上。その結果、かつての基準であった価格や知名度は通用しなくなり、店に入ってから出るまでの「体験の質」が問われるようになった。

こうした変化の前で、モンテローザ流の後出しジャンケン戦略は限界を迎える。看板やメニューはコピーできても、店内の活気、スタッフの目配り、その場に流れる空気感といった「体験価値」まではコピーできない。

体験とは、最もマネしにくく、かつ最も残酷に「本物か否か」を露呈させる要素だからだ。「とりあえず魚民」という消極的な選択肢は、真っ先に淘汰の対象となった。

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