浅草に灯る「28日間の総合芸術」の実像 上原亜衣が語った"ロック座最後の舞台"に戻る深い思惑

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上原氏はここ数年、タイや台湾、香港といったアジア圏での活動を精力的に広げてきた。各国でのイベント出演にとどまらず、タイ・バンコクではレモンサワーバーも出店。中国・深圳には法人も持つ。海外での活動を続ける中で、彼女の脳裏に浮かんだのは、「日本の歴史の一部であり、独自の文化を継承し続けるロック座」の存在だった。

「実業家として新しい道に進んでいる中で、再びこの世界に戻ることへの葛藤もありました。それでも、体で表現して、観に来てくれた人が感動してくれる唯一無二の空間を、海外の人にも体験してほしかったんです」。

上原亜衣 浅草ロック座
海外からロック座を訪れる客が増えている(撮影:今祥雄)

「エロ」のイメージを覆す、28日間の総合芸術

世間一般において、ストリップはいまだに「アダルト」や「エロ」といった文脈で語られがちだ。しかし、上原氏はロック座を「芸術であり、文化体験の場」と断言する。

「28日間かけて、出演者全員で一つの作品を作り上げていく。今回であれば『ドールズ』というタイトルのもと、一人一人のメインの景(演目)が重なり合って一つの物語が出来上がります」

ロック座の舞台裏を支える制作スタッフたちのプロ意識、そして本格的な音響や照明設備が生み出す空間美。それは、彼女の周囲にいるクリエイターたちからも「本格的で驚いた」と称賛されるほどの芸術性を備えている。特に今回の演目『ドールズ』において、上原氏は初の和装に挑戦するという。

「ドールは喋りませんが、言葉が伝わらなくても体や音、空間の表現で伝わるものがある。浅草という日本の伝統的な場所で、和装を通じて日本の良さを伝えたい。それは、耳の聞こえない方や、言葉の通じない海外の方にも共通して届く感情だと信じています」。

言葉の壁を超えた「非日常」の提供。それこそが、彼女が今の浅草で果たしたい役割なのだ。

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