コロナ禍の「オフィス不要論」は明確な間違いだった…東京都心「オフィス空室率1%切り」が示す現代ホワイトワーカーの"悲しい実情"
また、LINEヤフーは25年4月より、出社日を設けている。IT企業で、コロナ禍のときは「完全リモート」を標榜した会社も、ここ5年で「原則出社、あるいは週⚪︎日以上は出勤」になる場合が多い。
企業が出社回帰を促すのは、リモートよりも対面のほうがコミュニケーションがスムーズで生産性が上がることが指摘されているから。確かに、リモートだとどうにも仕事に集中できない……という話もよく耳にする。
ただ、そうした結果、今度は「オフィス回帰」が過剰に進み、先のような「空室率1%台」という未曾有の状況が生まれているのだ。
都心で顕著な「通勤地獄」の再来
ところで、「オフィス空室率1%」から私が考えるのは、また別の被害である。「通勤地獄」の再来だ。
千代田区の空室率が低いことからもわかるように、オフィス空室率の低さは「オフィス東京一極集中」をも表している。みんな、東京中心部の限られた狭いエリアにオフィスを求めており、それだけ働き手が東京の一部に集まっているということも表している。
つまり、東京主要5区以外の場所から、毎日大量の人間がこの狭いエリアに輸送されてくる。
そこで通勤地獄が起こる。
国土交通省は、令和6年度(24年度)の三大都市圏における電車の平均混雑率を公表している。混雑率とは、電車の輸送力に対して、実際にどれぐらいの人数が車内にいるのかを計る数値である。それによれば、東京圏は139%で前年より増加したという。大阪圏は116%、名古屋圏は126%でいずれも前年よりも増加しているが、東京圏の混雑率が高い。
「東京圏」というと曖昧だが、具体的な混雑区間における混雑率も発表されている。それが、以下の通りだ。
京浜東北線 川口→赤羽 156%
埼京線 板橋→池袋 163%
ちなみに筆者は、日々、埼京線の板橋ー池袋間に乗っているが、車内はほとんど身動きが取れず、電車の揺れにただ体をゆだねるしかない。
副次的な問題として、痴漢の発生率も非常に高い(ちなみに、このようにぎゅうぎゅう詰め状態のときの混雑率は250%ぐらいで、163%は数値としては低いように思えるかもしれないが、測定方法の問題もあり、実態としてはこれよりも混雑率が高い可能性があることも指摘されている)。


















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