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寝台列車「ななつ星」を"世界一"にした魔法の言葉 人々の心に火をつけた社長の熱意とこだわり

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  • 小林 洋達 テレビ東京報道局「ガイアの夜明け」チーフ・プロデューサー
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水戸岡さんにとって、「日本一」はお手のものというか、やってできないことはないという気持ちだったと思いますが、「世界一」となると、「オリエントエクスプレス」をはじめ、ヨーロッパでも10本ぐらいの素晴らしい列車があります。

アメリカ大陸でも3〜4本は良い列車が走っていますし、南アフリカには「ブルートレイン」が走っています。そういったところと戦うことになりますからね。

その中でも、ナンバーワンに君臨していたのは、「オリエントエクスプレス」です。多くの映画の題材にもなった列車で、それに勝つためにはどうすればいいのかと、水戸岡さんもすごく考えて悩んだのです。

人の心に火をつけた「言霊」

私は後日、車両を造った職人たちや、クルーと呼ぶ客室乗務員に、「なんでこの仕事に全力を傾けてくれたのか?」と質問しました。

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すると、私がずっと言っていた「世界一という言葉が響いたから本気になった」と言われました。

車両の職人たちはそれまで、国内でそこそこに評価される車両を造ってきました。それが彼らの生きがいだったわけですが、今回は「世界一を目指す」と言われて、燃えたんですね。

職人魂に火がついたんです。「世界一」が、手の届くところに来ているかもしれないという、そんな感覚もあったと思います。

クルーも公募し、社外の方にたくさん来てもらいました。

新聞に、「世界一の豪華列車『ななつ星』の客室乗務員募集」という小さな記事を載せてもらったのです。すると、航空会社のキャビンアテンダント(CA)や、一流ホテルのコンシェルジュ、海外のホテルを渡り歩いたプロのホテルマンとか、そういった方が日本全国、さらには海外からも手を挙げてくれました。

あっという間に400人が応募してくれて、その中から25人を選びました。
私は「なぜあなたは、日本航空のCAを辞めて来てくれたのか?」「一流ホテルのコンシェルジュを辞めて来てくれたのか?」と、合格者たちに後で聞きました。

するとみんなが、「世界一という言葉に自分を懸けてみたくなった」と言うわけです。

「日本一」という言葉は、もはや魔力を持っていませんが、「世界一」という言葉はまだ魔力を持っているのです。

言葉の魔力とは、「言霊(ことだま)」であり、言葉の魂です。それが「世界一」という言葉にはあります。

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