そうやって世界を構成する「本質的なもの」を追い求めて、抽象化を進めた結果、最後に残ったのがこの「新造形主義」と言われるあの「三原色と非色(黒白灰色)と直交する直線」の世界でした。彼にとってこれは模様やデザインではなく、進化の先にある世界のモデルだったのです。
美術の世界に起こった「ちゃぶ台返し」
モンドリアンは私生活でもこの「新造形主義」を徹底していました。
アトリエを自分の絵画のように構成し、髭を剃るときも左右1本ずつ剃ったとか、緑色を嫌い、部屋に花を飾るときは茎を白く塗ったとか、そんな逸話が残っているほどです。
このように、モダニズムの画家たちは「絵画とは何か」「絵画を成立させている純粋な要素とは何か」を問い続けました。そして行きついた道の1つが、抽象表現主義の画家。ジャクソン・ポロックが描いたような、全面を均質な絵の具で覆い平面性を強調する、「オールオーバー」と呼ばれる絵画です。
しかし、こうして「絵画」が純化され、進化の極みに達したと思われたとき、まったく別の角度から「ちゃぶ台返し」をするような動きが現れます。それこそが、今日私たちが「現代美術(コンテンポラリーアート)」と呼んでいるものの始まりです。
(中編に続く)
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