高市首相がアメリカによるベネズエラ攻撃への評価を保留せざるをえなかった理由、「日本外交の長期指針を問い直すべき」との指摘も

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しかし、今回は攻撃した側が米国だった。中国と対峙するには唯一の同盟国との関係強化が欠かせない。高市氏は会見で「我が国は従来から自由、民主主義、法の支配といった基本的価値や原則を尊重してきた。こうした一貫した立場に基づき、G7や地域諸国を含む関係国と緊密に連携」していくと強調したが、米国の軍事行動を支持するかどうかは明言しなかった。

政府内には「トランプ氏の行動は、ベネズエラの友好国である中国へのけん制でもある」と分析し、「日本は今回の攻撃を支持するべきだ」と話す関係者もいる。一方、高市首相が2日のトランプ氏との電話協議で今春の訪米に向けた調整を進めることで合意したことを念頭に、「米国を批判して日米関係が悪化すれば、政権運営そのものが批判されかねない。バランスを取った答弁になるのは仕方がない」と話す関係者もいる。

政府と与党で「あうんの呼吸」

政府の見解が定まらない中、自民党の安全保障調査会長を務める小野寺五典元防衛相は4日、「ベネズエラ侵攻は『力による現状変更』そのもので、中露を非難する論拠に矛盾する」とXに投稿した。

法政大学法学部の河野有理教授(政治史)は、「政府と与党であうんの呼吸がある」とみる。与党の重鎮が政府の見解を代弁しているとの見立てだ。河野氏は、今回の攻撃によって「リベラルな外交秩序を守っているのは日本とEU(欧州連合)だけになってしまった」と指摘。「力による世界分割の発想を前にして、日本外交の長期的な指針が問われる」と話す。「一足飛びには難しいかもしれないが、国際的な安全保障環境を踏まえた防衛力の強化は考えざるを得ないだろう」

(鬼原民幸、竹本能文、杉山健太郎 編集:久保信博)

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