火星に移住したら「決算日」はどう変わるのか?会計学者が本気で考えた「宇宙の会計」の大問題

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いずれにしろ、私たちが当たり前だと思っている会計ルールは、宇宙の中では「ローカル・ルール」にすぎません。

私は20年ほど前から、学生と冗談まじりにそんな雑談をしていました。

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しかし5年ほど前から、この話をするときの学生の目つきが変わってきています。雑談的な話として面白がるのではなく、重要なテーマとして本気で私の話に耳を傾け、議論するようになってきたのです。

それは、ここ数年のあいだに、「宇宙」がどんどん身近な場所に感じられるようになってきたからでしょう。かつては国家レベルの事業だった宇宙開発が、いまは民間レベルのビジネスとして具体化しています。

「宇宙の会計」は、もはやSFの世界の話題ではなく、現実のビジネスに関わる課題になってきたのです。

人工衛星がビジネスのサポートに役立つ分野は多岐にわたります。さらにはロケットによる宇宙資源の開発や移住なども含めて、宇宙そのものが、産業における巨大なフロンティアになるはずです。

かつてイギリスやオランダの東インド会社は、インドや中国などを新たなフロンティアと考え、植民地化の尖兵となりました。

これから宇宙では、それと同じようなことが起こるでしょう。宇宙という「植民地」をめぐる争奪戦はすでに始まっているのです。

「宇宙の会計」から会計の本質がわかる

「宇宙の会計」は、私たち人類にとって、きわめて現実的かつ重要なテーマになっています。

宇宙ビジネスを制する者がこの世界を支配するのだとすれば、「宇宙の会計」を制する者が競争で有利になるのは間違いありません。

また、宇宙で通用する会計ルールについて考えることは、「会計」の概念を根本から見つめ直し、本質をより深く理解することにつながります。

こうした話を通じて、ビジネスに役立つ知識を手に入れてもらうだけでなく、「会計」の面白さを感じていただけることでしょう。

決して、会計は数字を並べただけの無味乾燥な世界ではありません。

山口 不二夫 明治大学専門職大学院 グローバル・ビジネス研究科 専任教授

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やまぐち ふじお / Fujio Yamaguchi

1957年、千葉県生まれ。東京大学経済学部、東京大学大学院博士課程で学ぶ。経済学博士(東京大学)。神奈川大学専任講師・助教授、青山学院大学助教授・教授を経て、2004年より現職。会計の面白さをわかりやすく伝える講義に定評がある。会計理論学会 元会長・現常任理事。著書に『火星の決算日はいつになる? 地球人のための会計入門』(東洋経済新報社)、『日本郵船会計史』(2001年日本会計史学会賞受賞、白桃書房)、『日本の新会計基準』(共編著、東京教育情報センター)など多数。

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