火星に移住したら「決算日」はどう変わるのか?会計学者が本気で考えた「宇宙の会計」の大問題
会計には必ず「決算」という手続きがあります。どんなに正確にお金を集めて数える作業をしていても、どこかで数字を締めなければ会計をやる意味がありません。
その決算のタイミングは、1年に1度、半年に1度、四半期決算、毎月の決算、最近流行りの日次決算などさまざまですが、これはどれも、地球という惑星の事情で決まっています。
いうまでもなく、1年という期間は、地球が太陽のまわりを公転する周期にほかなりません。
ひと月は月が地球のまわりを公転する周期ですし、1日は地球の自転周期です。
決算のタイミング以外にも、会計のルールは、惑星の公転や自転といった天体の運行と深く関係しています。
たとえば金利の計算も、1日単位です。午前中に借りたお金をその日の夕方に返せば利息はつきません。
SF作品が見逃している宇宙の大問題
1年や1日という単位で会計を行なうことを、ふだん、私たちは当たり前のこととしてとらえています。しかし、視野を地球の外まで広げてみると、その常識は通用しません。
火星の公転周期は687日ですから、そこに設立された会社の決算日は、地球の会社とは違うかもしれないのです。
それでも火星はまだ地球と近いので、地球に本社のある「火星支店」のような組織であれば、会計のルールも地球と同じにするかもしれません。
火星で暮らす社員は違和感を覚えるかもしれませんが、地球上であっても本社と支店で時差のある会社はたくさんありますから、あまり大きな問題にはならないでしょう。
しかし宇宙は広いので、さらに範囲を広げれば、地球基準は「宇宙標準」にはなり得ないことがわかるはずです。
宇宙を舞台としたSF作品には、しばしば「銀河帝国」のようなものが描かれます。
多くの恒星系とその惑星を支配する巨大国家の会計は、決算日をどのように設定しているのか。また、金利はどういう時間単位で発生するのか。
作品にそれが描かれているのを私はまだ見たことがないですが、考えてみると、これはなかなか難しい問題です。



















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