火星に移住したら「決算日」はどう変わるのか?会計学者が本気で考えた「宇宙の会計」の大問題
会計という営為は、人間社会のシステムをうまく動かすうえで欠かせません。実際、経済的にまとまりのある集団や組織には必ず会計が存在します。
いちばん規模が小さいのは、家計簿やお小遣い帳に代表されるプライベートな会計です。
一方、いちばん規模が大きい会計は国家予算です。もちろん国によって予算の規模はピンからキリまでありますが、「経済的にまとまりのある集団」という点で、国家より大きいものはありません。
「地球上の人類」もひとつの集団ではありますが、経済的にまとまっておらず、組織化されてもいないので、「地球全体の会計」は存在しないのです。
そして、どんな規模のものであれ、会計に大切なのは「信頼性」です。
そのため、古代から現代にいたるまで、会計を育んできた人々は、データの信頼性を保つ工夫を幾重にも凝らしてきました。そうした先人たちの努力の結果として、現代社会のあらゆるデータの信頼性を、会計が担保しているというわけです。
宇宙の会計ルールはどんなものになる?
そうはいっても多くの人にとって、会計は取っつきにくい世界でしょう。それこそお店で支払いをしたときに受け取るレシートもそうですが、会計と聞くと、びっしりと数字が羅列されたものを誰でも思い浮かべます。
私は、大学やビジネススクールで広く会計のことを教えています。2年間でMBA(Master of Business Administration)、つまり経営学修士を取得できるのがビジネススクールです。生徒はほとんどが社会人で、経済や経営、会計の知識がまったくない人もいれば、特定の分野については専門知識を持っている人もいます。
いろいろな知識レベルの人を飽きさせないよう、そして時事的なネタを常に入れて話すよう、日々心がけて授業を行なっています。
そのために私が大事にしているのは雑談です。なかでも、とくに学生たちが身を乗り出すようにして興味を示すのは、こんな問いかけです。
「宇宙の会計ルールをつくるとしたら、どんなものになると思う?」
もし、人類が火星に移住して、そこで「経済的なまとまり」のある集団になったら、会計はどうなるでしょう。
「お金を集めて数えるのはどこでやろうと同じだから、地球でも火星でも会計のルールは同じでいいだろう」――そう思う人もいるかもしれません。



















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