ギリシャはユーロ離脱か残留か、繰り返される危機

リーマンショックは、各国の政治家や金融当局者が、欧米のバブルの大きさを正確に把握していなかったために招いた失策であり、リーマンの破綻自体も市場は予期していなかった。FRB(米国連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長は、危機対策の仕組みづくりから始めなくてはならず、対応が後手に回った。しかし、今では、金融危機への対処のノウハウが積み上げられている。ECBによる流動性供給や7月に開始予定のEMS(欧州安定メカニズム)などの準備も進んでおり、他国への飛び火を防ぐ手立ては整ってきた。

欧州の景気は現在でも、緊縮財政によって冷え込むことが予測されている(表)。ギリシャが離脱すれば、一時的な混乱により、さらなる下振れは必至。そうなると、欧州への輸出比率の高い中国や南欧と取引関係の深いブラジルなど新興国もダメージを免れない。とりわけ、このところ高めの成長から安定成長路線に舵を切り、景気刺激策に慎重になっている中国に市場は神経質な目を向けている。

ただし、中国やブラジルには財政出動や金融緩和の余地があるので、影響を短期間で終わらせることは可能だ。多摩大学大学院の沈才彬客員教授は「温家宝首相が23日に最大のミッションは安定成長だと発言し、ユーロ危機に備えて先手を打つ姿勢を示した。金融緩和や景気対策に動くだろう」と見る。

ギリシャ自体は、経常赤字国で物資を輸入しなければならないのにユーロを離脱した途端、資金がつかないということになる。新たな通貨を発行しても、対ユーロで暴落を続け、ハイパーインフレーションに見舞われるだろう。それでも、長い目で見れば、為替の調整によって徐々に立ち直っていくはずだ。

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