アップデート中にiPhoneが文鎮化──eSIM時代に"動かなくなったスマホ"から突きつけた厳しい現実

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OSまでの復旧は1時間半ほどで終わり、メッセンジャーやメーラーなど、その日の予定で最低限必要なアプリだけをダウンロードして、次の予定に向かった。Suicaも使えるし、乗り換え案内も使える。iPhoneが動作しているだけで、こんなに安心感があるのかと思った。

「復元しました」メッセージが表示された画面
とりあえずの復旧環境したところで、次の予定に向かう。ちなみに、App Storeアプリのモバイル通信をオフにしておかないと、移動中もアプリを落とし続けるので注意(筆者撮影)

起こりえるリスクにどう備えるか?

ハードウェア的な集積度は恐ろしいほど向上し、ソフトウェア的にも安定度の高い構成になっているから、以前ほどフリーズしたり、文鎮化するケースは非常に減っていると感じる。だから、予備機を持ったりする必要もないはずだ。

しかし、逆に我々の依存度は増している。だから、動作しなくなったときの影響が非常に大きい。人によっては、クレジットカード、Suica、マイナンバーカード、健康保険証などもスマホ依存になっているはずだ。

また、eSIMを載せたまま操作不能になって復旧できないと、キャリア側でeSIMを再発行してもらう必要が出てくる。物理SIMだと差し替えれば済む作業だが、これはかなり面倒だ。キャリアによっては料金も必要になる。

アップルは全機種から物理SIMを廃してしまったので、基本的には『故障はほぼ起こらない』という発想なのだろう。実際、そう思っていいほど故障率は下がっている。しかし『絶対にSMSを受信できない状況を作らない』ためには、現在のところメインの電話番号を物理SIMが使える機種にして、物理SIMを使える予備機(SMS受信さえできればいいので、古い機種でもいい)を用意するしかないのではないだろうか? まぁ、その端末を紛失したり、盗難にあったりすれば結局のところSIMの再発行が必要になるので、どのリスクにどの程度対策するか? ということでしかないのだが。

村上 タクタ 編集者・ライター

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むらかみ たくた / Takuta Murakami

iPhone、iPadなどアップル製品を中心に扱うガジェット・テクノロジー系編集者・ライター。カリフォルニアでのWWDCやiPhone発表会には2016年頃から継参加。趣味の雑誌の編集者として、’92年から約30年で約600冊の雑誌を作ってきた。バイク雑誌『ライダースクラブ』に携わり、ラジコン飛行機雑誌『RCエアワールド』、海水魚とサンゴ飼育の雑誌『コーラルフィッシュ』、デジタルガジェットのメディア『flick!』『ThunderVolt』の編集長を務める。HHKBエバンジェリスト、ScanSnapアンバサダー。バイク、クルマ、旅、キャンプ、絵画、庭での野菜作り、日本酒、ワインと家族を愛する2児の父。娘はロンドン、息子は台湾在住。

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