東芝、「身内に大甘」3億円賠償請求の疑問点 対象者と金額をどうやって決めたのか

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報告書による“擁護”はほかにもある。「リーマンショックや東日本大震災などの中、競合他社に打ち勝って、利益向上を図らなければならない厳しい事業環境だった」と、環境悪化も損害額の算定で考慮する余地がある、とわざわざ明記している。

企業統治に詳しい久保利英明弁護士によれば、「最初は50億~100億円くらいで(高めに)請求し、最終的に支払い能力を勘案して1人1億円くらいで落ち着く、というのが通常」と、手厳しい。つまり、初めから落としどころを前提にした訴状ではないのか、というわけだ。

長年にわたる利益カサ上げで改革が遅れた結果、東芝の2016年3月期上期の業績は904億円の営業赤字と、6年ぶりの上期赤字に沈んだ。

旧経営陣の苦しみはこれから

だがこれで幕引きとなったわけではない。

「被告にならなかった役員には、株主代表訴訟を提起することも検討する」と金弁護士は予告する。いくら東芝が逃げても、室町社長を含めた現旧役員に対して、株主が代表訴訟を起こす可能性は残っている。さらには冒頭の巨額の証券訴訟も待ち構える。東芝の評価を貶(おとし)めた旧経営陣の苦しみはこれからだ。

「週刊東洋経済」2015年11月21日号<16日発売>「核心リポート01」を転載)

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