三菱電機、重電の優等生が一転減益の事情 中国でエアコンの在庫が積み上がる

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上期増収増益ながら、通期で営業増益を見込む三菱電機。FAをはじめ、中国失速が痛手となった

2期連続最高益を達成する見込みが、一転して、減益予想になった。

三菱電機は10月29日、2016年3月期上期(4~9月期)の決算を発表。売上高は前年同期比4.6%増の2兆0632億円、営業利益は同4.6%増の1270億円の増収増益だった。一方で通期は、売上高こそ前期比1.3%増の4兆3800億円と増収になるものの、営業利益は3200億円の予想から、同5.5%減の3000億円へと、200億円下方修正した。三菱電機の松山彰宏・常務執行役は下方修正の理由について、「中国の景気減速の影響が各セグメントの事業に現われつつある」と説明した。

下方修正によって、重電3社の中で唯一、7%台を越えていた三菱電機の営業利益率は、前期の7.3%から、今期予想は6.8%と6%台に沈む。

スマホ向けが厳しくなったFA

通期では主要5部門のうち、自動車機器事業が好調な産業メカトロニクス部門を除く4部門で、前期比減益になる見通しだ。とりわけ、中国経済の減速をもろに受けたのが、FA(ファクトリーオートメーション)システムと電子デバイス(半導体)事業である。いずれも上期の受注は、中国向けを中心に前年同期を下回っており、下期にかけてその影響が顕在化してくるようだ。

中でも、FAシステム事業は、「2015年3月期には非常に多くの出荷があったが、中国のスマホ向け装置の受注が6月頃から急速に落ちている」(松山常務)。前期は利益を牽引する稼ぎ頭だったが、今期は厳しい状況に陥っている。

加えて、「中国で採算を取るのが厳しくなっている」と松山常務が指摘するのは、エアコンだ。エアコンについては、国内首位のパナソニックの津賀一宏社長も、「中国メーカーはものすごい数の在庫が積み上がっており、それをさばくために安売りをしている」と、10月7日に開かれた家電見本市「CEATEC JAPAN」で懸念を示していた。

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