「『医療同意拒否』された子が生きられる道を」難病・障がいを負う2児を養子縁組で育てる「休みゼロで赤字」の元牧師が明かす、日本の"悲しき現実"

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疲れが溜まっていく一方では……と思うが、松原さんには“とっておきの解消法”があるそう。

「しんどさを感じた時には、恵満の横に一緒に転がって、サンドウィッチマンの動画を見ています。好きなんですよね、見ているだけで元気がわいてくるというか」

お笑い、そしてサンドウィッチマンが、巡り巡って子どもの命を救う一助となっている。もちろん、松原さんのバイタリティあってこそだが、いつの時代もエンタメは、くたくたになった心を癒やしてくれるのだ。

サンドウィッチマンと2人の愛する子どもに元気をもらい、松原さんは今日も介助に精を出す(写真:松原さん提供)

SNSと寄付でつながった支援、それでも足りないお金

『小さな命の帰る家』の活動資金について聞いてみると、「決して私1人の力だけで成り立っているわけではない」と松原さん。はじめは身銭を切り、貯金を切り崩しながらなんとか2人を育てていたが、最近ではSNSでの拡散や、寄付・募金によって救われてきた局面も少なくない。特にXでは、松原さんが日常を投稿したツイートが何度かバズり、それを目にした人からの寄付が増えたという。

「正直に言うと、なぜバズが起きたかは私自身も分かりません。ですがSNSで広がったことで助けられた場面は何度もあります。医療費がどうしても足りないとき、緊急の支払いが発生したときも、発信したら反応してくださる方がいて本当に救われました」

医療的ケア児の場合、出費は一時的ではなく、日常的かつ継続的に発生する。

「人工呼吸器、吸引器、チューブ、オムツなどの消耗品、通院費。日頃から必要なアイテムを揃えるだけでもけっこうな額になるうえ、1回の手術で何十万、何百万という単位でお金が出ていきます。付き添い入院もあるので、その間は仕事もできません」

だからこそ、募金や支援が大きな糧になる。現在はホームページに届いた応援コメントも4000件をはるかに超え、「『少しですが』と送ってくださるお金が、本当にありがたい。一人ひとりは1000円、2000円でも、積み重なれば大きいです。支援がなかったら、正直、続けられなかった場面はあります」と松原さんは目を細める。

呼吸器ひとつとっても必要経費はバカにならない(写真:松原さん提供)
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