【2026年トレンド予測】ハンバーガーは「飲み物」、エビは「音」。Z世代が牽引する"身体感覚"ビジネスの衝撃
――2026年に向けて、Z世代ファッションで象徴的な変化は?
Z世代のファッションを象徴しているのが、立体フラワー刺繍をあしらった“キッズ服サイズ”の広がりです。ユニクロやGUといった大手ブランドでも展開され、売り切れが続出しました。
あえて小さいサイズを着ることで、華奢さやスタイルの良さを自然に見せる。ただ、それを正面から打ち出すと「あざとい」と受け取られかねない。Z世代はそのリスクをよく理解しています。
Z世代は「服」で自分を語らない
そこで機能しているのが「平成女児ブーム」という文脈です。プリキュアやシール文化といったノスタルジーを理由にすることで、自己主張を抑えながらも、自分らしさを成立させている。
立体フラワー刺繍も、ロゴほど主張が強くなく、感情に近い装飾。“かわいい”は感覚表現であると同時に、計算された戦略でもあるのです。
――Y2Kの流れをくむ「見せブラコーデ」は、どう進化していますか?
2000年代初期のような直接的な肌見せとは、明確に違います。今主流なのは、ブラ風トップスやインナーを主役にしたレイヤードなど、「肌見せのさじ加減」を楽しむスタイルです。
露出そのものより、バランスや文脈を重視する。大胆さよりコントロール。ここにも、Z世代の慎重さと知性が表れています。
――こうした流れを見ると、Z世代は「服そのもの」よりも、どう着て、どう見せるかを重視しているようにも見えます。
まさにその通りです。Z世代にとってファッションは、「何を着るか」以上に「どういう体験として成立するか」が重要になっています。
――その象徴とも言えるのが、「漢服(ハンフー)体験」でしょうか?
これは服のトレンドというより、体験消費の拡張です。漢服は「買う服」ではなく、「着る時間ごと楽しむ服」。観光、撮影、SNS投稿まで含めて価値が成立している点で、Z世代の消費行動と非常に相性がいい。
今後は、ファッションと観光をつなぐ象徴的な存在になっていくでしょう。


















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