【2026年トレンド予測】ハンバーガーは「飲み物」、エビは「音」。Z世代が牽引する"身体感覚"ビジネスの衝撃
――少し変化球的な食トレンドはありますか?
「天使の海老」です。ニューカレドニア産の高品質な養殖海老で、韓国を中心にASMR(※)動画で注目されています。
※特定の音や映像を見て、脳や背中がゾクゾクしたり、心が落ち着いたりする反応のこと
評価されているのは味以上に、噛んだときの歯ごたえ・咀嚼音の心地よさ・動画での映え方といった、「音と食感」の要素です。
もともとASMR界隈では、コストコのシュリンプカクテルを食べる動画など、「海老を食べるコンテンツ」が定番でした。その延長線上で、より音が良く、映える食材として「天使の海老」が選ばれている。
日本でもすでに購入できるため、ASMRをきっかけに「音で楽しむ食材」として、じわじわ広がっていく可能性は高いですね。
「軽く、撮れて、選べる中華」
――ネクスト・マーラータン系フードも来そうですね?
次に選ばれやすいのが、マオツァイ(冒菜)と蘭州拉麺(ランシュウラーメン)です。共通しているのは、重すぎず、体験として成立し、動画にもなるという点。マーラータンに慣れた層が、次に自然と手を伸ばす条件を満たしています。
マオツァイは四川・成都発祥で、「一人用の火鍋」とも呼ばれる料理です。自分で選んだ具材を麻辣スープで煮込むスタイルはマーラータンに近いものの、春雨ではなく野菜や豆腐が中心になりやすい。その分、よりヘルシーな“辛い中華”として受け入れられやすいと思います。
一方の蘭州拉麺は、牛肉ベースのあっさりしたスープで、食後の重さが残りにくい。さらに、注文後に麺を伸ばす工程があり、調理そのものがコンテンツになる点も大きい。視覚的にわかりやすく、動画とも相性がいい。
マーラータンが「春雨×麻辣」なら、蘭州拉麺は「手打ち麺×牛だし」。刺激からバランスへという価値の移行を考えれば、派生として選ばれる流れは自然でしょう。


















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