スピッツ名曲の映画化『楓』のロケ地《東京・立川》 いま映画関係者が"最注目している"背景

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海外作品の撮影に対してインセンティブ制度も充実しています。ニュージーランドでの製作費が1500万NZドル(約13.5億円)以上である作品に対して、そのうちの15%を補助するなどの制度を組んでいるのです(内閣府「諸外国のロケ誘致施策に関する調査項目」による)。

映画の製作費は、日本映画が5000万円~数億円規模なのに対して、ハリウッド大作映画は100億~300億円程度が一般的です。

それに比例してロケにかける費用も大規模であり、加えて世界中で公開されることでロケ地にもたらされる経済効果もグローバルなムーブメントになることが多く、ニュージーランドはそこを狙って戦略を立てているわけです。

楓
スケールの大きいロケーションが魅力です(写真:Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会)

これまでニュージーランドでは、インセンティブ制度によって、アメリカやカナダよりもコストを抑えられるという点と、他にはないダイナミックな大自然での景観が撮影できるとあって、映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(01年〜03年)や『ナルニア国物語』(05年)をはじめ、ハリウッドの超大作がこの制度を利用。その後の地域の経済効果も顕著となっています。

映画『ラスト サムライ』(03年)では、日本の富士山の代わりに、形の似ているニュージーランドの名峰「タラナキ山」がロケ地として採用され、周囲には日本家屋を建設して撮影が行われました。

ロケ地となったのは、「世界で最も星空の美しい場所」

本作『楓』のロケ地は、世界有数の星空が見られる場所として有名な南島の「テカポ湖」周辺。作中では、「彗星」や「天体」といったモチーフが全編にわたって描かれています。

そのため、12年に最高位ランクの星空保護区(ゴールドティア)に認定された「マッケンジー盆地」で撮影されました。

楓
映画にも登場するニュージーランドのテカポ湖(写真:Ⓒ2025 映画『楓』製作委員会)
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