スピッツ名曲の映画化『楓』のロケ地《東京・立川》 いま映画関係者が"最注目している"背景

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このグリーンスプリングスは、前述した「立川飛行場」の跡地を活用する形で、今から5年前の2020年に「立飛ホールディングス」が開業しました。

サンサンロード
「サンサンロード」では26年1月18日までイルミネーションが行われています(写真:筆者撮影)

立川の発展に寄与する「創業101年の老舗企業」の正体

不動産管理会社である同社は、1924年に前身の「石川島飛行機製作所」を設立し、以来、立川飛行場を拠点として歴史を積み重ねてきました。

同社は立川飛行場の跡地を有効活用し、2015年には「ららぽーと立川立飛」、17年には「アリーナ立川立飛」、24年には浅田真央さん監修のスケートリンク「MAO RINK TACHIKAWA TACHIHI」など続々と開業。

25年は同社100周年記念事業の一環として、8月にアリーナ立川立飛で「令和七年夏巡業 大相撲立川立飛場所」が、10月には立川ステージガーデンで「立川立飛歌舞伎特別公演」が行われました。

ステージガーデン
立飛ホールディングスが開業した「立川ステージガーデン」。さまざまなイベントが行われています(写真:筆者撮影)

さらに12月27日には同所で「立川立飛eスポーツフェス2025」の開催を予定しており、文化、芸術、スポーツなどを通じ、次の100年に向け、このエリアに新しい価値を生み出し続けています。

聖地巡礼
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グリーンスプリングスでは、これまでドラマやMVの撮影などはあったものの、大規模な映画の撮影ははじめてだったとのこと。撮影では店舗の協力も得ながら、早朝から夜まで実施されました。

ラブストーリーである本作によってイメージアップが図られ、多摩地域の定番デートコースになれば、と期待は大きいようです。

こうしたおしゃれで洗練されたスポットをはじめ、アリーナや公園などの広い土地を活用した撮影が、エリア内の1カ所でできることは、映画制作者にとっては大きな魅力です。

また立川は、都心との適度な距離感から、混雑するエリアでは通行人の調整が難しい撮影も比較的行いやすく、一方で新宿から電車で30分とアクセスがいいため、エキストラなどが集めやすいという点も、ロケ地に選ばれはじめている理由でしょう。

今後もグリーンスプリングスを含めた立川エリアの、文化発信拠点としての成長が大いに期待されます。

古関 和典 ロケ地研究家、コンテンツツーリズム研究家

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こせき かずのり / Kazunori Koseki

1973年神戸市生まれ、早稲田大学政治経済学部卒業後、旅行会社に入社。映画『のだめカンタービレ』のヨーロッパロケを担当して以降、社内でチームを立ち上げ、数多くの映画、テレビドラマ、アニメ等のコンテンツ制作の業務に携わる。2016年、TIFFCOMにおいて、『日経エンタテインメント!』と共催で「全国ロケ地セミナー」を開催し、その活動が同誌でも紹介される。2023年、法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了。

現在は業務の傍らでロケ地研究家として「ロケ地ラボ」を主宰し、各大学や地域での講演も行っている(2015年以降、内閣官房より「地域活性化伝道師」の委嘱を受け活動)。2021年、フジテレビ『超逆境クイズ!!99人の壁』に「ジャンル=ロケ地」でチャレンジャー出場、グランドスラム達成。コンテンツツーリズム学会理事。

ブログ:https://ameblo.jp/chiiki-media/

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