「年収アップ転職=キャリアの成功」を信じる人がハマる罠。《200万円ダウンの転職》を繰り返して見えた、AI時代のキャリア戦略

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

よくある失敗例として、まったくの他業種から「即戦力」として転職したケースがあります。本人は「新しい環境でさらに学びを深めたい」という成長意欲を持っています。しかし採用側は高い年収を提示している以上、「すでに実績があるのだから、教育不要で成果を出してくれるだろう」という浅い見込みで採用してしまいます。

その結果、業種知識も文化も異なる環境に適応できず、成果が出ないまま早期退職に追い込まれてしまうのです。

もう一つは、自分の実力を客観視できないまま、査定の甘い企業に給与アップで入社するパターンです。こういうケースでは、本人に十分な実力がないにもかかわらず、高い給与に見合う短期的な成果を強く要求されます。

そんなミスマッチを周囲はサポートするどころか、「高い給与をもらってるんでしょう」という冷めた想いで接するため、上司も部下も遠慮なく詰めてきます。

このように、お互いが期待ギャップに気づかないまま行われる年収アップ転職は、会社はもちろん、当人にも深いダメージを残します。

成果を出せないまま次の転職活動に臨むことになれば、必然的に年収はダウンせざるを得ません。しかもその間に年齢を重ねているため、市場における評価はより下がっており、良い転職ができる可能性は狭まります。

安易な年収アップ転職をしたことで、中期的なキャリアがマイナスになってしまうのです。

あえて年収を下げて「経験」に投資する

これに対し、全く異なるアプローチでキャリアを築く戦略があります。それは「キャリアにプラスになる年収ダウン」を受け入れることです。

私自身の実体験を紹介します。キャリアの中で転職を4回していますが、常に200万円以上の年収ダウンをしてきました。給与が上がったと思ったら年収ダウン転職をし、また成果を出して給与が上がったら、再び年収を下げて新しい職種へ移る。これを繰り返してきたのです。

次ページ年収ダウンを受け入れるメリット
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事