2位と1億円以上の差…「藤井聡太氏の凄み」プロ棋士のシビアな懐事情 「対局料の2割は20年後に払う!?」 かつての将棋界に実在したシステム
棋士は割の良い職業か
棋士という職業は、果たして割の良い職業か、また子どもたちが憧れる世界か、親が子どもにさせたい職業かについて、過去の経験も踏まえて振り返って考えてみたい。
棋士の収入というのは、時代ごとに大きく変わってきたような気がする。「将棋の棋士はどこからお金が入るのですか」というのはよく聞かれた質問だった。棋士の収入は棋戦の対局料、賞金が主で、どこから入るかといえば、棋戦を主催するスポンサーからである。
その主催を戦前から長らく新聞社が引き受けてきた。主催社と日本将棋連盟が契約をして、将棋連盟から支払われるということだ。戦後間もない頃は、新聞の拡販にとって、囲碁・将棋欄は欠かせないコンテンツだった。また新聞社は、日本文化の伝承を担うという意味もあって、長くスポンサーを続けてきてくれた。このスポンサーが一般企業だったら、ずっとは続かなかったはずである。
もっとも20年ほど前からは、新聞社の人に「もうわれわれが支える時代ではないでしょう」と言われ続けている。
昔(昭和20年代)から名人戦が一番格上の棋戦で、名人戦の主催を巡って、毎日新聞社と朝日新聞社とで、何度も争いを繰り広げてきた(現在は竜王戦と名人戦の2つが一番格上)。名人戦が昭和20年代に毎日から朝日に移ったことで、毎日は昭和25(1950)年に王将戦を始めたのだった。


















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