2位と1億円以上の差…「藤井聡太氏の凄み」プロ棋士のシビアな懐事情 「対局料の2割は20年後に払う!?」 かつての将棋界に実在したシステム
スポーツ界では、日本人でも野球の大谷翔平選手を別格として、他の野球選手やゴルフ、サッカー、競輪選手などでも、藤井以上の金額を稼ぐ人は存在する。しかし、棋士はスポーツ選手と違い、仕事の上でケガをすることはないし、寿命も長い。
それを考えると、藤井くらいの格になれば、棋士は金銭的にも恵まれた職業と言えるだろう。
しかし、一人の棋士が全タイトルを取れば、後の人がどうなるかは、火を見るより明らかなこと。藤井に続く第2位は、渡辺明九段の4562万円で、前年は2位でも7000万円を超えていたのが、この年はこれだけ下がっている。渡辺は前年、名人位を失冠した影響もあるが、これも1強集中のせいとも言える。
3位と4位は3000万円台
3位と4位は永瀬拓矢九段と広瀬章人九段で、3000万円台。5位と6位は2000万円台になり、7位から下は1000万円台となっている。10位の伊藤匠七段(当時)で、1728万円だ。
藤井のところで述べたように、これ以外の収入がある人がほとんどだが、若手の中には「将棋が強くなることに関係のない仕事はやらない」と言って、すべての空いた日を、実戦での稽古や研究(AIでの研究も含む)に使い、雑収入がない棋士もいる。
そうなると、将棋界で日本のベスト10に入っても、年収が2000万円程度となると、プロとして良い職業と言えるかどうかを判断するのは難しい。
そのくらいの収入なら、若くてもIT関連の仕事で稼ぐ人は多いし、投資ファンド関係ならさらに収入が多い人もいる。何より一般企業の会社員でも「私の方がもっと多い」という人もいるだろう。
ある上場企業の株主総会での議案を見ると、「役員手当の総額の上限を25億円にする」というのがあった。役員を数えてみると十数名しかいない。
当然社長や会長とそれ以外では違ってくるだろうが、軒並み億単位の報酬が支払われていることになる。
将棋界と比べると、トップは別にして、10位では明らかに、上場企業の役員の方が上である。
とはいえ、社員が何千人・何万人もいる上場会社のトップ10に入るのは、容易なことではないであろう。比べることが間違いかもしれないが、どんな会社や組織でもトップ10人の中に入れば、相当な報酬がもらえることは間違いない。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら